農業研究本部

水稲新品種「空育139号」の育成について

佐々木 忠雄、沼尾 吉則、太田 早苗、田中 一生、吉村 徹、三分一 敬、佐々木 一男、和田 定、新井 利直、本間 昭、森脇 良三郎、楠谷 彰人、犬飼 剛、稲津 脩、柳原 哲司、鈴木 慶次郎

北海道立農試集報.67,1-17 (1994)

 水稲「空育139号」は、1985年に北海道立中央農業試験場で交配した「上育397号(きらら397)」/「空育125号」の雑種後代から育成され、1993年2月、北海道の奨励品種に採用された。本品種は、出穂期が「空育125号」より1~3日早い早生の中、成熟期が「空育125号」並の早生の晩、短桿の穂数型で、*先色は黄白、芒性は中短である。障害型耐冷性は「ゆきひかり」よりわずかに劣る「空育125号」並のやや強~強、いもち病耐病性は「きらら397」「空育125号」並の強で、真性抵抗性遺伝子Pi-a,i,kをもつと推定される。耐倒伏性はやや強、玄米収量は「空育125号」並ないしやや劣る。玄米の品質は「空育125号」並であるが、玄米・白米の白度および食味は「きらら397」並に良好である。  水稲「空育139号」は、1985年に北海道立中央農業試験場で交配した「上育397号(きらら397)」/「空育125号」の雑種後代から育成され、1993年2月、北海道の奨励品種に採用された。本品種は、出穂期が「空育125号」より1~3日早い早生の中、成熟期が「空育125号」並の早生の晩、短桿の穂数型で、 *先色は黄白、芒性は中短である。障害型耐冷性は「ゆきひかり」よりわずかに劣る「空育125号」並のやや強~強、いもち病耐病性は「きらら397」「空育125号」並の強で、真性抵抗性遺伝子Pi-a,i,kをもつと推定される。耐倒伏性はやや強、玄米収量は「空育125号」並ないしやや劣る。玄米の品質は「空育125号」並であるが、玄米・白米の白度および食味は「きらら397」並に良好である。  以上の特性から、「空育139号」は網走、上川、留萌、空知、石狩、後志、胆振、日高の各支庁と渡島および桧山支庁の北部の「空育125号」および「上育393号」の殆どに代えて普及奨励する。


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