農業研究本部

道内における農畜産加工汚泥の成分組成と窒素無機化特性

中村 隆一、平井 義孝

北海道立農試集報.69,31-40 (1995)

 北海道内の農畜産物加工工場から排出される汚泥は、都市下水汚泥に比較して炭素及び窒素の含有率が高く、重金属の含有率が低かった。化学組成は未消化汚泥であるため、工場毎に特徴が認められ、窒素含有率は、食肉加工工場汚泥・醸造工場汚泥>製糖工場汚泥>乳製品製造工場汚泥>スイートコーン加工工場汚泥>馬鈴薯加工工場汚泥の順であった。びん培養法による7週目の各汚泥の窒素無機化率とC/N比の間に負の相関関係が認められた。窒素無機化推移より、I型:初期の無機化が急激で、後半に低下するが全体の無機化率が高い、II型:全期間を通してほぽ一定の割合で無機化は進むが、全体ではI型より低い、III型:初期に窒素有機化が見られ、全体の無機化率が最も低い、の3つの型に分けられた。また、培養初期における窒素の無機化率から、汚泥の窒素無機化パターンに基づく分類指標を示した。


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