農業研究本部

北海道の水稲に寄生するイネネモグリセンチュウ類とその分布

山田 英一

北海道立農試集報.70,27-36 (1996)

 北海道の水稲に寄生するHirschmanniella属線虫の検出圃場率は16.8%であったが、その検出率は空知、石狩、上川、後志支庁で高く、胆振、渡島支庁でもやや高かった。十勝および日高支庁では各々1圃場のみで検出され、網走、留萌、桧山支庁では全く検出されなかった。  種をSher(1968)に従い同定すると、検出されたのはH.imamuri(イマムラネモグリセnンチュウ)とH.oryzae(イネネモグリセンチュウ)の2種であった。各々が単独に検出された圃場率はH.imamuriでは47.6%、H.aryazeでは44.1%であり、両種の併発圃場率は3.6%であった。十勝支庁芽室町および日高支庁浦河町の標本は紛失したため、種を明らかにすることがてきなかった。H.imamuriは上川および空知支庁北部で検出率が高く、これより南下するにしたがってH.oryzaeの検出率が高まる傾向が認められた。


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