農業研究本部

製糖工場排出土中に生存するジャガイモそうか病菌の発酵熱利用による殺菌

清水 基滋、西野目 行雄、阿部 秀夫

北海道立農試集報.71,17-25 (1996)

 製糖工場排出土中に生存しているジャガイモそうか病菌を、発酵熱処理により消毒するために、まず土壌中におけるそうか病菌の致死温度について調べた。その結果、土壌中のそうか病菌は、70℃ 1日、65℃ 5日、60℃では7日以上の湿熱処理で死滅するものと考えられた。 排出土に製糖工場の余剰汚泥、糖廃蜜、澱粉かす、麦稈、鶏糞を混和したパイルに、強制的に吸排気処理を行うことにより、パイルのほぼ全部位でそうか病菌の致死温度となり、パイル裾の一部を除いてそうか病菌は殺菌された。 さらに、本法によりそうか病菌の致死温度で熱処理された排出土コンポストは、圃場へ3t/10a程度施用してもそうか病の発生を助長することはなく、畑への還元が可能であることを明らかにした。


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