大豆がら、小豆がらの栄養価改善に対する蒸煮処理の有効性
阿部 英則、山川 政明
北海道立農試集報.72,17-21 (1997)
大豆がら、小豆がらの栄養価改善を図るため、蒸煮処理の効果について検討した。大豆がらは 4kg/cm2の圧力で 5分間および 8kg/cm2の圧力で 5,10,15分間蒸煮し 、小豆がらは 8kg/cm2の圧力で10分間蒸煮した。いずれの処理についても、めん羊を用い乾物摂取量、乾物消化率を測定した。大豆がらでは、 4kg/cm2蒸煮処理は無処理と比べて違いはみられなかった。 8kg/cm2蒸煮処理では、処理時間が長くなると、さやの摂取量が減少し、稈 を合わせた全摂取量も減少した。また乾物消化率も低下した。小豆がらでも同様であった。蒸煮による炭化の程度は稈よりもさやで著しく、蒸煮後のさやでは水溶性フェノ-ルが著しく増加しており、その抽出液を添加したところ、乾草や大豆がらのin vitro 乾物消化率は低下 した。以上の点から、さやでは蒸煮することで水溶性フェノ-ルが生成し、これが消化抑制に関与していることがうかがわれた。
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