農業研究本部

畑地かんがいによるジャガイモそうか病の被害軽減対策

竹内晴信

北海道立農試集報.73,11-16 (1997)

 ジャガイモそうか病の発病被害を軽減するため、土壌酸度調整資材の施用と畑地かんがいの併用効果、および効果的なかん水手法を検討した。その結果、かん水のみでは、土壌の乾燥が続くような気象条件で発病抑制効果が高かった。土壌pHの低下は見られなかった。土壌酸度調整資材施用とかん水の併用は、各々単独より高い効果を示した。資材施用を併用してかん水を行う場合は、萌芽期に一度に多量かん水することで、土壌pHの安定的な低下と、生育の維持、回復に有効であった。この後、7月末までpF2.3でかん水を行うことで、より確実な防除効果が見込まれた。1回のかん水量は10mmで十分であった。かん水時に茎葉の上からかん水する機材を用いても、疫病などの病害発生増加は見られず、これら機材の使用が可能である。


全文(PDF)