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道南農業試験場

Q&A「ねぎ」について

No 質問項目 回答要旨
1.  ねぎにはどんな種類がありますか。  「根深ネギ」と「葉ネギ」があります。前者は白い葉鞘部分を利用し、後者は若くて柔らかい緑色の葉身を利用します。
ともに中国から渡来し、前者は全国的(主に関東)に、後者は関西で主に栽培されています。
 「根深ネギ」は千住系、「葉ネギ」は九条系や越津系の品種が多い。また、坊主知らずネギやヤグラネギもあります。
2.  ねぎ坊主はどういう組織ですか。  ねぎは、ある大きさ以上の植物体が一定期間以上の低温に遭遇することで花芽分化し、その後の高温と長日によって花茎の伸長が促されて抽苔します。
やがて花を包んでいた総包が破れ、たくさんの小さな花が現われます。これがいわゆる「ねぎ坊主」で、ひとつの花房は約250~400の花の集まりになっています。
3.  長ねぎを家庭菜園で上手に作るポイントはなんですか。  ねぎは栽培期間が長くかかる植物なので、肥料分を切らさないようにすることが重要です。
 また、長い白根の部分は定期的に土を盛ることで作られるため、定植後はほぼ1ヶ月おきに土寄せ作業が必要になります。肥料もこの時に一緒に与えると良いでしょう。
夏から秋にかけては虫や病気がつきやすくなるので、注意が必要です。
4.  この時期(5月上旬)、硬く棒状で食べられない、やわらかくする方法は。  すでに硬くなってしまったネギを柔らかくするのは,残念ながら難しいとおもわれます。
この時期のネギが硬くなる要因は,種類にもよるのですが,たいていの場合は花が育ってくるためで,花を支える茎に似た部分(花茎)が非常に硬いことによります。花がごく小さなうちは硬いと感じることもありませんが,大きくなるに従い花茎は硬くなり,中心部には空洞ができていきます。やがて蕾が外に現れますが,これがいわゆる「ネギ坊主」と呼ばれるものです。
いつまでも柔らかいネギをとりたい場合には,花ができないような環境にしておく必要があります。花の基になる芽は,ほとんどの品種で5~15℃程度の低温に640時間(5~15℃に1日16時間あたったとして,40日間)程度あたるとできるので,常にそれよりも暖かく保てるといいのですが。
花の基が作られる際に,新しくネギ本体となる芽も同時に作られます。「ネギ坊主」が現れたものは硬くて食べられませんので、早めに蕾を摘み取り,新しく出てきたネギを大きくして召し上がってはいかがでしょうか。ただし,寒い日が続くと,この新しいほうのネギにも花ができてしまうこともあります。
花芽ができにくい,またはできないタイプの品種がありますので、それを使うことも考えられては如何でしょうか。(2004年5月7日回答)
5. 黒土を入れて家庭菜園を作りました。ダイコンは良く出来たのですが、ネギはあまりおおきくなりませんでした。作り方を教えてください。 ネギは燐酸と石灰が十分に無いと良い生育はしません。入れた土は燐酸や石灰分が少ない土壌と考えられます。土を分析して、土に合った炭酸カルシュウムと、ようりん等の燐酸資材に堆肥を入れて土作りをしてください。
6. ねぎはいつもは春まきしていますが、小樽で9月に種をまいたらどうなりますか。  ハウスなどを使用しない,露地条件で栽培されているものと仮定してお話いたします。ネギの発芽・生育適温の適温は,15~20℃とされており,9月に種をまいた場合にも発芽には問題ありません。発芽後はだんだん気温が低下してきますので,生育は緩慢になり,小さいまま越冬することになるでしょう。葉鞘部(茎のようなところ)に土を充分盛っておいて,融雪後にほりあげることは可能だと思われます。
問題は3つあります。第1は,ネギの越冬性です。ネギはある程度の寒さには耐え,積雪下でも越冬することができます。ただし,これには品種間差がありますので,必ずしもすべて生き残るわけではありません。千住黒柄系(「元蔵」など)など,越冬性の強いものを使用することをおすすめします。
第2は,ネギの大きさです。雪解け後にほりあげて収穫するわけですが,小さいうちに越冬させたものは,春にもやはり小さいのです。市販されている長ネギのような大きさは期待できないと思われます。大きくなるまで待つこともできますが,第3の問題がでてきます。
第3は,花についてです。ネギはある程度の太さになると,低温に反応して花芽を作ります。前の年にある程度育てておいたネギは,秋~春の低温に反応して花芽を作り,暖かくなってくると抽苔して花を咲かせます。花をつけたネギはとても硬くなってしまいます。
以上の点をご理解いただいた上で,家庭菜園の中でお楽しみいただければと思います。(2004年9月3日回答)

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