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中央水産試験場

海況速報(2013年12月)

平成25年度 第5号(通算 No.155)
平成25年12月24日

北海道立総合研究機構 水産研究本部

11月中旬~12月中旬の海況

海域別情報

日本海海域

積丹半島のはるか北西沖,および同半島の沿岸寄りの海域に非常に勢力の強い暖水渦(指標:200m層水温6℃以上)がみられます。また,檜山沖,および道北海域の沖合から石狩湾方面にかけては沖合冷水が強く張り出しています(指標:200m層水温3℃以下)。このため,対馬暖流は沿岸寄りと暖水渦の西側へ大きく迂回する2つのルートに分かれて北上しています。特に,沖合を北上する対馬暖流は,沖合冷水の張り出しが強いため,北緯44度付近で東進し,雄冬岬沖から沿岸寄りを北上している模様です。

対馬暖流の流量は,ほぼ例年並です。

水温は,道北の沖合冷水が張り出す海域では例年よりも1~2℃低くなっていますが,例年よりも高い海域が広くみられます(水温偏差表参照)。特に,積丹半島沖の対馬暖流が流れる海域では,水温は例年よりも2~3℃高くなっています(水温偏差表参照)

余市における旬平均水温は,11月上旬から例年よりも高い状態にあり,12月上旬では「非常に高い」でしたが,12月中旬では「やや高い」まで低下しています。

道東太平洋海域

 道東沿岸を道東沿岸流(*1)が流れています(指標:50m層水温8℃以上)。その沖合では,北緯42度,東経145度と北緯41度30分,東経146度の海域を中心に,黒潮系北上暖水がみられます(指標:100m層水温9℃以上)。

水温は,黒潮系北上暖水がみられる海域で,例年よりも2~6℃高くなっています(水温偏差表参照)。

道南太平洋海域

津軽暖流は,前回に引き続き,渦モード(*2)から沿岸モード(*2)へ移行中です(指標:100m層水温8℃以上)。

水温は全体的に例年並ですが,浦河沖のD42地点の深度200mでは,例年よりも約5℃低くなっています(水温偏差表参照)。津軽暖流がこの深度まで達していないことが要因として考えられます。
オホーツク海海域

宗谷暖流(指標:50m層水温8℃以上)がオホーツク海沿岸を順調に流れており,浜頓別沖では宗谷暖流の幅が例年よりも広くなっています。また,オホーツク海の沖合には東カラフト海流がみられ(指標:表面水温6℃以下),紋別沖で接岸傾向にあります。

水温は宗谷暖流の流れる海域で例年よりも高く,特に,宗谷暖流が例年よりも沖側へ広がっている浜頓別沖では例年よりも4~6℃高くなっています(水温偏差表参照)。

資料

資料 観測期間 観測海域
稚内水試(北洋丸) 2013年11月28日〜11月29日,12月9日 オホーツク海海域
稚内水試(北洋丸) 2013年12月3日〜12月6日 道西道北日本海海域
釧路水試(北辰丸) 2013年11月28日~12月2日 道東道南太平洋海域
栽培水試(北辰丸) 2013年11月20日 道南太平洋海域
函館水試(金星丸) 2013年12月9日〜12月18日 道南日本海海域
函館水試(金星丸) 2013年10月28〜10月31日 道南太平洋海域
*1:夏~秋季に道東沿岸を流れるオホーツク海起源の沿岸流を道東沿岸流と呼んでいます。
*2:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。

水温平面分布図

表面水温
    • 表面水温の図
50m層水温
    • 50メートル層水温の図
100m層水温
    • 100メートル層水温の図
200m層水温
    • 200メートル層水温の図

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