平成23年11月14日
北海道立総合研究機構 水産研究本部
9月中旬~10月下旬の海況
海域別情報
日本海海域
積丹半島西方に暖水渦(指標:100m層水温9℃以上)があります。このため,対馬暖流(指標:100m層水温6℃以上)は,この渦の西方を大きく迂回し流れています。また,道南では,沖合冷水(指標:100m層水温4℃以下)が例年よりも本道側へ張り出しています。対馬暖流の流量は例年よりも2割程度少なくなっています。
水温は,表面で,8月に引き続き,例年よりも1~3℃高い海域が広くみられます(水温偏差表参照)。しかし,50m層水温では,暖水渦の分布する海域を除いた広い海域で,例年よりも1~4℃低くなっています(水温偏差表参照)。
余市における旬平均水温は,10月中旬で「やや低い」でしたが,11月上旬では「やや高い」になっています。
水温は,表面で,8月に引き続き,例年よりも1~3℃高い海域が広くみられます(水温偏差表参照)。しかし,50m層水温では,暖水渦の分布する海域を除いた広い海域で,例年よりも1~4℃低くなっています(水温偏差表参照)。
余市における旬平均水温は,10月中旬で「やや低い」でしたが,11月上旬では「やや高い」になっています。
道東太平洋海域
道東の沿岸では,道東沿岸流(*1)が流れています。また,道東の沖合では,北緯41度30分,東経146度を中心とした海域に,黒潮系北上暖水(100m層水温8℃以上)がみられます。
水温は,表面では例年よりも低い海域が広くみられますが,深度50m以深では,黒潮系北上暖水が分布する海域で,例年よりも3~7℃高くなっています(水温偏差表参照)。
水温は,表面では例年よりも低い海域が広くみられますが,深度50m以深では,黒潮系北上暖水が分布する海域で,例年よりも3~7℃高くなっています(水温偏差表参照)。
道南太平洋海域
津軽暖流は渦モード(*2)から沿岸モード(*2)へ移行中です(指標:100m層水温10℃)。
水温は,深度200mでは,津軽暖流の分布する海域で,例年よりも1~3℃高くなっていますが,その他の深度では,例年よりも低い海域が広くみられます(水温偏差表参照)。
水温は,深度200mでは,津軽暖流の分布する海域で,例年よりも1~3℃高くなっていますが,その他の深度では,例年よりも低い海域が広くみられます(水温偏差表参照)。
オホーツク海海域
宗谷暖流がオホーツク海沿岸を順調に流れています。また,宗谷岬東方の表面では,下層水の湧昇による冷水域が,8月の観測に引き続き,みられます。
水温は,表面では広い範囲で,例年よりも,2~6℃高くなっています(水温偏差表参照)。
水温は,表面では広い範囲で,例年よりも,2~6℃高くなっています(水温偏差表参照)。
資料
資料 | 観測期間 | 観測海域 |
---|---|---|
稚内水試(北洋丸) | 2011年9月26日〜9月27日 | (オホーツク海海域) |
稚内水試(北洋丸) | 2011年10月3日〜10月4日 | (道北日本海海域) |
釧路水試(北辰丸) | 2011年9月12日〜9月14日 | (オホーツク海海域) |
釧路水試(北辰丸) | 2011年10月19日〜10月21日 | (道東太平洋海域) |
函館水試(金星丸) | 2011年9月26日〜9月28日 | (道西道南日本海海域) |
函館水試(金星丸) | 2011年10月24日〜10月28日 | (道南太平洋海域) |
*1:夏~秋季に道東沿岸を流れるオホーツク海起源の沿岸流を道東沿岸流と呼んでいます。
*2:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。
水温平面分布図
表面水温
50m層水温
100m層水温
200m層水温
PDF版
お問い合わせ先
資源管理部 海洋環境グループ
- 住所:〒046-8555 北海道余市郡余市町浜中町238番地
- 電話番号: 0135-23-4020
- ファックス番号:0135-23-8721