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中央水産試験場

海況速報(2001年04月)

平成13年度 第1号(通算 No.79)
平成13年 5月 16日

北海道立総合研究機構 水産研究本部

4月上旬から4月下旬の海況

金星丸就航

函館水産試験場所属の金星丸がこの4月より新しくなり,これに伴って,道南太平洋の観測点が変更になりました。観測点は現在暫定的なものですが,より解像度の高い水温分布図が得られるようになりました。

修正版海況速報(1999年12月〜2000年6月)は下にあります。

海域別情報

日本海海域
岩内沖暖水渦発達

岩内西方沖の暖水渦(例えば200m層水温6℃以上)は対馬暖流から暖水の供給を受け,前回(4月)より中心の水温が上昇し,200m層では渦が積丹半島西方まで張り出しています。 対馬暖流は,乙部西方の200m層では沿岸近くを北上していますが,50m層より浅いところでは沿岸と沖合に分岐して北上しているようです。北上した対馬暖流は,岩内沖暖水渦の西方を蛇行しています。
余市における5月中旬以降6月中旬までの沿岸水温(旬平均)は,平年値に比べ,「やや高い」から「平年並み」で推移しています。
道東太平洋海域
親潮勢力強い

道東海域は広く親潮におおわれ,水温は全般に低めとなっています。千島列島沿いに道東海域へ流れ込んだ親潮は,襟裳岬から東北沿岸へ南下しています。暖水塊や暖水塊の縁が北緯41度から40度付近,東経143度以東にみられます。最も東にある暖水塊(北緯41度,東経147度付近)の南側を親潮が回り込んでいるようです。
道南太平洋海域
新金星丸で観測

冒頭でも書きましたが,道南海域の観測点が増え解像度があがりました。親潮が襟裳岬から東北沿岸へ南下している様子がよくとらえられています。襟裳岬から噴火湾内まで,50m層で水温3℃以下の沿岸親潮(*1)で覆われており,沿岸親潮で覆われた海域では水温が平年より低くなっています。津軽暖流は沿岸モード(*2)になっています。
オホーツク海海域
宗谷暖流順調

表面水温3℃以上の海域は網走沖まで達しており,50m層でもサロマ湖沖まで3℃以上となっていることから,宗谷暖流は順調に流れ始めたようです。水温についてみると,沿岸表層でやや高く,そのほかは平年並みとなっています。知床半島沖は海氷のため観測できませんでした。

資料

資料 観測期間 観測海域
青森水試(東奥丸) 平成13年 4月 4日から同4月5日 (東北日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 平成13年 4月 9日から同4月11日 (道北日本海)
稚内水試(北洋丸) 平成13年 4月 16日から同4月18日 (オホーツク海海域)
釧路水試(北辰丸) 平成13年 4月16日から同 4月26日 (道東太平洋海域)
金星丸(函館水試) 平成13年 4月11日から同4月13日 (道南太平洋海域)
中央水試(おやしお丸) 平成13年 4月17日から同 4月25日 (道西日本海海域)

*1:オホーツク海の海氷の融氷水を含む親潮として特に沿岸親潮という名前が付けられています。
*2:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。

水温平面分布図

0メートル
    • 表面水温の図
50メートル
    • 50メートル層水温の図
100メートル
    • 100メートル層水温の図
200メートル
    • 200メートル層水温の図

海況速報(水温偏差表付)PDFファイル

NOAA画像

    • 2001年2月のNOAA画像

      7日間合成です。

水温鉛直断面図

次の断面図がごらんになれます。

日本海

オホーツク海

道東太平洋

道南太平洋

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