分類
種名:イカナゴ(スズキ目 イカナゴ科 イカナゴ属) Ammodytes personatus Girard
近縁種:キタイカナゴ Ammodytes hexapterus
地方名:オオナゴ(大女子)・コオナゴ(小女子)・シラウオ・チリメン
近縁種:キタイカナゴ Ammodytes hexapterus
地方名:オオナゴ(大女子)・コオナゴ(小女子)・シラウオ・チリメン
- 稚内周辺の海には,イカナゴ属の2種;イカナゴ(Ammodytes presonatus Girard)とキタイカナゴ(Ammodytes hexapterus)が生息しています。ただし,現在,イカナゴ属は世界中で見直しが進められており,この海域のキタイカナゴも遺伝的な問題が指摘されています。
- 両種は形態的に非常に似ており,分布域も重なっているため,漁業では特に区別せず一括して取り扱っています。しかし,産卵期や脊椎骨,背鰭軟条,体のしわの数で両種を分けることが可能です。イカナゴの産卵期は春,3~4月ごろですが,キタイカナゴは冬,12月ごろです。また,背鰭の数はイカナゴが55-59軟条,キタイカナゴは58-63軟条です。
生態
- 沖縄を除く日本各地に生息しています。ただし,キタイカナゴは北海道北部より北側に分布し,本州以南には生息していません。
- 稚内周辺のイカナゴは満1歳で体長14センチメートル,2歳で17センチメートル,3歳で20センチメートルに成長し,寿命は6歳(23センチメートル)以上です。上の写真のイカナゴは体長24センチメートルでした。イカナゴは北に分布しているものほど大きくなります。瀬戸内海に分布するイカナゴは3歳で体長は14センチメートルしかなりまん。寿命も短く2~3年と言われています。
- 本州以南のイカナゴは水温が高くなる夏の間,砂に潜って暑さを避ける習性がありますが,北海道のイカナゴではこの習性は見られません。
漁業

- 体長5~6センチメートル以下の幼魚を,食用として棒受け網などで漁獲しています。このサイズのイカナゴをチリメンとかコオナゴと呼んでいます。体長15センチメートルぐらいになると,沖合底びき網や定置網で漁獲されます。これらはオオナゴと呼ばれ,主にハマチや養殖ウナギの餌料となります。
- 沖合底びき網漁業では,宗谷海峡周辺から毎年3万トン前後の水揚げがあり,夏期の重要な漁獲対象魚種となっています。
お問い合わせ先
調査研究部 管理増殖グループ
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