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稚内水産試験場

マナマコ

マナマコの分類、生態、漁業に関しての情報をまとめています。

分類

    • マナマコ
分類:棘皮動物門ウニ形亜門ナマコ綱盾手目シカクナマコ科マナマコ属マナマコ
学名:Apostichopus japonicus 

形態

 体は円筒形で、前端に口、後端に肛門があり、口の周囲には20本の触手がある。体の腹面には管足が3縦帯をなして密生し、背面から体側には大小の疣足が不明瞭ながら6縦列をなす。体色には3つのタイプがあり、赤褐色のアカ、青緑色のアオ、黒色のクロがある。北海道で一般に見られるものは茶褐色の地に黒い斑紋を有するが、アオとされ、南方系のアオに比べて疣足が太くて長い。津軽海峡ではアカも見られる。体長は20~30cm。
    • マナマコの体内模式図

生態

 アラスカ、千島列島、サハリン、朝鮮半島、遼東半島および北海道から九州、鹿児島県種子島までの日本各地に分布する。北海道では十勝、釧路地方を除く全域に分布する。生息場所は、主に潮間帯から水深40mまでの砂礫底や岩礁上であるが、水深100m~300mからとれることもある。雌雄異体であり成熟した卵巣は半透明の橙色、精巣は乳白色でともに太さ2~3mmの樹枝状。卵の直径は0.15~0.17mm。
 受精卵は十数時間で孵化して浮遊生活に入る。受精後40時間ほどでアウリクラリア幼生となり、植物プランクトンを摂餌して受精後十数日で体長1mm弱となる。その後、体が急激縮小して長径0.4~0.5mmのドリオラリア幼生に変態し、その1~2日後には5本の触手をもつペンタクチュラ幼生となり底生生活に入る。
 ナマコ類は周囲の砂泥などを摂食し、中に含まれる海藻の破片や微生物などの有機物を消化して栄養ををとるため、底質を浄化する作用がある。
 

漁業

 北海道のナマコ漁業は19世紀初頭にはじまり乾物を中国で輸出することで発展した。ナマコは全道で漁獲されるが、特に宗谷、留萌地方で多く漁獲される。主産地では、八尺と呼ばれる桁網を動力船でひいて漁獲する。

稚内水産試験場では・・・

 マナマコは北海道沿岸ではごく普通に見られる生物ですが、その餌料や生態などはいまだに不明な点が多いです。これまでにマナマコの成長に関する試験や分布密度の調査などを行っています。
    • 岩場に生息するマナマコ1
    • 岩場に生息するマナマコ2

参考図書

 漁業生物図鑑 新 北のさかな図鑑 2003 北海道新聞社

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