防火性を持つ木製ドア・シャッター
性能部防火性能科長 菊地 伸一
●ドア,シャッターに求められる機能
●ドア,シャッターに対する防火規制
●防火戸の働きと評価法
●木製防火ドアの性能
木材は本来遮熱性に優れた材料です。表面が燃焼しても形成される炭化層によってその遮熱性は維持されます。表面温度が800℃に達する加熱を受けても,木製防火ドアでは裏面温度はほとんど変化しませんが,鉄製防火ドアでは400℃以上になります。さらに60分まで加熱を続けても,裏面温度は100℃以下に保たれています(図4)。
木材は本来遮熱性に優れた材料です。表面が燃焼しても形成される炭化層によってその遮熱性は維持されます。表面温度が800℃に達する加熱を受けても,木製防火ドアでは裏面温度はほとんど変化しませんが,鉄製防火ドアでは400℃以上になります。さらに60分まで加熱を続けても,裏面温度は100℃以下に保たれています(図4)。
また,高温にさらされても溶融・変形することはありません。さらに,木材の未燃焼部分の強度低下は少なく,鉄骨のようにある温度以上で急激に強度を低下させることがありません。その炭化速度は0.6~0.8mm/分とされていますから,たとえば60分間燃え抜けないようにするには50mm程度の厚さがあればよいことになります。このような大断面木材の耐火性を利用した大規模建築物は,すでに数多くの実績を残しています(長野オリンピックスピードスケート会場も木材でつくられました)。さらに,燃焼時に塩酸や窒素酸化物を発生させたり,高濃度の発煙を引き起こすことがある合成高分子系の材料よりもはるかに安全なのです。
●木製シャッター