道総研をフカボリ!船員(海事職員)

こんなシゴト、こんな調査です。

水産試験場の研究サンプルとなる魚の採集や
温暖化の究明にもつながる海洋観測を行っています。

僕らが乗船している「北辰丸」は、大別すると二つの役割を担っています。一つはサンマやイワシ、イカ、スケトウダラといった主要魚類の調査です。主に太平洋やオホーツク海へ航行し、流し網や底びき網などさまざまな漁法で水産資源を漁獲。獲れた魚介を研究サンプルとして釧路水産試験場に持ち帰る他、僕ら自身でも生態や魚群分布などを分析しています。

二つ目は、海や漁場の環境調査。CDT測定装置や潮流観測装置、超音波流速計を用いて水温や塩分濃度、水質、水流、プランクトンなどのデータをとっています。この調査は例えばサンマが岸に寄りつきにくくなる原因を究明するヒントになったり、地球温暖化の研究に役立つことなどが期待されています。すぐに結果につながるわけではありませんが、北海道の水産業や地球環境に貢献できる、やりがい大の仕事。待遇や福利厚生も魅力です!

ココでフカボリ!甲板部と機関部の役割の違いは?

魚類や水環境の調査は甲板部と機関部とで共通する仕事です。僕が所属する甲板部は風や波の強さを観測したり、レーダーで周囲の状況を確認して操舵を行ったり、安全な航行をサポートしています。(中川) 機関部は、エンジンをはじめとする主機関や発電機関を保守・整備しています。出航前のエンジン始動準備や機械トラブルの修理も僕らの担当。大きな船の心臓部を動かすという張り合いのある仕事ですね。(藤野)

道総研の試験調査船

北海道の周りの海では、
3隻の試験調査船が活躍しています!

北辰丸
平成26年、トロールの漁労設備や最新鋭の
調査観測機器を備えて誕生。
北辰丸
竣工
平成26年11月
総トン数
255トン ディーゼル
主機関
2,000馬力
漁労設備
流し網、イカ釣機、
表中層トロール網、漁網監視装置、
トロール網、ソリネット等
観測装置
CTD(水深別に水温・塩分をはかる)、ドップラー式流向流速計、計量魚群探知機、スキャニングソナー等
定員
25名
所属
釧路水産試験場
北洋丸
本道西日本海や宗谷海峡、オホーツク海で、
水産資源の調査や定期的な海洋観測を実施。
北洋丸
竣工
平成6年
総トン数
237トン
主機関
1,600馬力
漁労設備
オッタートロール、ソリネット、
フレームトロール、表層ネット、
えび籠等
観測装置
CTD、計量魚群探知機、
ナンセン採水器等
定員
26名
所属
稚内水産試験場
金星丸
本道日本海南部や日高沖合で
資源調査をする他、定期海洋観測も担当。
金星丸
竣工
平成13年
総トン数
151トン
主機関
1,300馬力
漁労設備
オッタートロール、全自動イカ釣機、ソリネット等
観測装置
CTD、計量魚群探知機、
多層音波潮流計等
定員
19名
所属
函館水産試験場

ココでフカボリ!船の中ではどう過ごしている?

航海中の勤務時間は、8時から12時、12時から16時、16時から20時…と4時間で一区切り。4時間仕事に取り組んでから8時間休み、また4時間仕事に向き合うというサイクルです。休憩中は食堂でご飯を食べたり、風呂に入ったり、各々自由に過ごしています。

上司から中川さんにエール!

コンピュータの扱い方はさすが若者!
これからの成長ぶりが本当に楽しみです。

長谷川秀喜
水産研究本部 釧路水産試験場
試験調査船 北辰丸
長谷川秀喜

中川くんは平成27年の4月に新卒として乗組員になったばかり。まだまだ仕事の全容はつかめず、何をすべきか迷うことだらけだと思います。ただ、最新型の気象測定装置やレーダーなど、コンピュータを搭載した機器の扱い方はさすがイマドキの若者。すぐに使いこなしていますね。
私たち甲板部の仕事は北辰丸の安全な航行を支えること。海にはシケだけでなく、時に商船や漁船が近づいてくるなど、さまざまな危険が潜んでいます。トラブル回避の方法を即座に判断するには、やはり経験がものをいうんです。彼には今後も実践を重ねることで「危険のパターン」を覚えてもらい、危機回避能力を養ってほしいと考えています。

上司から藤野さんにエール!

藤野くんは飲み込みが早く積極的。
課題は船酔いかもしれません(笑)。

鈴木仁
水産研究本部 釧路水産試験場
試験調査船 北辰丸
鈴木仁

機関部のスタッフはエンジンをバラして手入れしたり、パイプの補修にあたったり、どちらかといえば技術職。機械の保守や修理の手法は、一朝一夕では身につきません。けれど、藤野君は気になることをマメに質問してくれる積極的なタイプですし、飲み込みも早いほうですから、大いに期待を寄せています。
この仕事はシステムの管理方法や配管の配置など、頭で覚えることも多々あります。とはいえ、何より大切なのは五感を研ぎすませること。機械に触れて、オイルの匂いをかいで、エンジン音を聞いて、異常にいち早く気づく力を養わなければなりません。このあたりが藤野くんの今後の課題かな…あとは船酔いしやすいから、早く体を慣らさないと(笑)。

なんでもQ&A

その質問、センパイが教えます。

中川さんが北辰丸に
乗ったのはなぜ?
僕が船乗りになりたいと思ったのは兄の存在があったから。水産庁の漁業取締船で活躍している姿を見て、高校時代から「カッコイイ」と憧れを持つようになりました。さらに僕は漁師町の厚岸出身。漁業を営んでいる親戚や同級生も多く、その役に立つ仕事がないかと熟考した結果、漁業調査船に乗るという選択肢にたどり着いたんです。北辰丸の業務は魚群分布や生息環境の研究にも役立ちますから、漁師の皆さんにとって有益な情報の発信源になれると信じています。
藤野さんが機関部を
選んだ理由は?
高校卒業後、岩手県の海上技術短大に進みました。在学時には航海と機関の4級海技士の両資格を取得。ただ、僕はもともと機械いじりが好きなタイプでしたし、短大時代に実習で練習船に乗っていたころから、機関士の「答えが出る」仕事に楽しさを感じたんです。例えばエンジンの始動にしても、機械類の修理にしても、仕組みや原因さえ分かれば必ず結果に結びつくという明確さが心地良くて。北辰丸を選んだのは機関部の作業だけでなく、漁獲や海洋調査といった幅広い業務に携われるのも魅力だったからです。
初めは研修が
あったりするの?
僕らの場合は4月からすぐに船に乗り始めました。といっても、いきなり実践というわけではないので安心してください(笑)。魚種調査の漁獲方法も、甲板部や機関部の仕事も、まずは先輩がお手本を見せてくれた上で徐々に自分たちのできることを広げていきます。上司は何を聞いてもイヤな顔一つしないので、声をかけやすい雰囲気です。僕らは海上技術短大の同級生でもあるんですが、実習で練習船に乗った時は先生役の船員が厳しくて厳しくて…。船乗りというと体育会系のイメージが定着していましたが、北辰丸の先輩方はフレンドリーなのでホッとしましたね(笑)。
着岸時には
どんなことを?
次の調査に必要な道具を準備したり、漁労機械を整備したり、船体や機関の保守点検作業がメインです。ただ、航海から戻り釧路の港に着岸した後は基本的には休日。僕らはよく二人でお酒を飲みに出かけますね。海の上では何が起こるか分からないという緊張感を持って仕事に取り組んでいるので、開放的な気分になっちゃうみたいです(笑)。短大時代も同じ寮に住んでいましたし、今も毎日のように仕事で顔を合わせているのに、休日まで一緒に過ごすとは…腐れ縁でしょうか(笑)。

道総研のココがいい!

北辰丸の航行は、
それほど長丁場ではありません。
土日の代休やGW、お盆休暇など、
休みもしっかりとれます。

商船やタンカーは、数カ月単位の航海に出る代わりに休みも長期間というスタイルが多いようです。一方、僕らの航行は基本的に1〜2週間程度の比較的短いスパン。航海が土日に重なった時には代休もしっかりとれますし、GWやお盆、年末年始の休暇に関しても一般的な企業と同様です。生活リズムが大きく崩れることはなく、予定も立てやすいのがメリットだと思います。あとは…魚種調査で珍しい魚が見られたり、イルカやシャチ、クジラを近くで見られたりするのも役得ですね(笑)。

こんな研究をサポートしています!
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  • 昆布の生活サイクルの
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