
親の飼育方法、特徴
親魚は体重1キログラム前後の天然魚を使用し、雄と雌の尾数を2:1の割合で、親魚水槽(50tコンクリート水槽;10.0×5.0×1.0メートル)に収容し、飼育します。
給餌は、オオナゴ、チカ等を週3回給餌します。
水温管理は、12月中旬までは自然水温、12月下旬頃より8℃を維持し、3月以降4月にかけて14℃まで徐々に水温を上昇させます。
給餌は、オオナゴ、チカ等を週3回給餌します。
水温管理は、12月中旬までは自然水温、12月下旬頃より8℃を維持し、3月以降4月にかけて14℃まで徐々に水温を上昇させます。

親魚水槽では、オスはメスの2倍の尾数で収容し育成します。
受精・ふ化の方法、特徴
クロソイは、胎生魚であり仔魚の状態で産み出されます。親魚を水槽で飼育し、交尾、受精させます。交尾期は雌の卵はまだ成熟していないので、精子は雌の卵巣内で一時休眠し、卵が成熟してから活性化し受精します。
受精から出産までは平均水温10.4℃で46日であり、腹の張った雌をタモ網ですくい、受精卵の発生段階を観察し、卵発生のステージごとに分けて出産用水槽に収容します。
出産された仔魚が雌の親の胸びれで煽られて自力で泳ぎだしたら、オーバーフロー方式で1tパンライト水槽に回収し、計数します。計数された仔魚は、仔魚水槽に収容します。
受精から出産までは平均水温10.4℃で46日であり、腹の張った雌をタモ網ですくい、受精卵の発生段階を観察し、卵発生のステージごとに分けて出産用水槽に収容します。
出産された仔魚が雌の親の胸びれで煽られて自力で泳ぎだしたら、オーバーフロー方式で1tパンライト水槽に回収し、計数します。計数された仔魚は、仔魚水槽に収容します。

受精卵の発生段階を観察します。

出産間近のメスを出産用の水槽に収容します。

泳ぎ始めた仔魚をパンライト水槽に集めます。

水槽いっぱいの仔魚。

産み出された仔魚(1日齢です。)

産み出された仔魚を仔魚水槽に収容します。
餌料の種類、特徴
シオミズツボワムシ、アルテミアを培養し、仔稚魚の大きさに合わせながら、ワムシ、アルテミア、配合飼料の順に複数を組み合わせて給餌します。

円形水槽を使ってシオミズツボワムシを培養します。

ネットを使ってワムシを回収します。

ワムシを給餌している様子です。

栄養強化されたアルテミアを回収します。

アルテミアを給餌している様子です。
種苗の性質、飼育時間、期間

10日齢のクロソイ仔魚。

20日齢のクロソイ仔魚。

選別器(メッシュの籠)による選別作業の様子です。

配合飼料給餌の様子です。
中間育成
産み出された直後の仔魚は、全長6~7ミリメートル、以後10日齢で10ミリメートル前後、20日齢で14ミリメートル前後、30日齢で20ミリメートル前後となり、35日齢頃から選別器により25ミリメートル前後で選別します。
2ヶ月で35ミリメートル前後となり、6月中旬から7月下旬にかけて稚魚を配布しています。
2ヶ月で35ミリメートル前後となり、6月中旬から7月下旬にかけて稚魚を配布しています。

稚魚の輸送は、水槽が積まれた専用トラックで行われます。

中間育成先では、太いホースをサイフォンにして水槽から生け簀に移します。

配付サイズのクロソイ種苗です。

漁業者による給餌の様子です。
種苗放流実績
(平成14年度)
放流場所 | 放流数 |
---|---|
後志・檜山管内 | 19万8千尾 |
津軽海峡 | 6万6千尾 |
噴火湾 | 9万8千尾 |
日高管内 | 10万9千尾(ほかに全長30ミリメートル前後で50万尾放流) |
十勝・釧路管内 | 1万6千尾 |
羅臼 | 9千尾 |
留萌管内 | 7千尾 |
合計 | 総計50万3千尾 全長100ミリメートル前後で放流 |
種苗生産について
1 種苗生産のあらまし
クロソイの種苗生産研究は昭和45~46年青森県、昭和47年北海道栽培漁業総合センター(現 道総研 栽培水産試験場)で着手され、その後、全国でも実施され始めました。
現在では、(社)北海道栽培漁業振興公社瀬棚事業場を主体に人工種苗が生産され、オホーツク海域を除く全道で放流が行われています。
2 種苗生産方法・工程等
クロソイは、胎生魚であり仔魚の状態で産み出されるため、天然親魚を水槽で飼育し、この間に、交尾、受精、出産をさせます。飼育水の加温によって、通常4月~5月頃に出産させます。
産まれた仔魚には、ワムシ、アルテミア、配合飼料の順に組み合わせて給餌し、2ヶ月ほど飼育して全長30ミリメートル前後で種苗として配布します。供給された種苗は、漁港内の浮き生け簀や陸上水槽で、主に配合飼料を与えられて飼育され、その年の秋に全長100mm前後で放流されます。
クロソイの種苗生産研究は昭和45~46年青森県、昭和47年北海道栽培漁業総合センター(現 道総研 栽培水産試験場)で着手され、その後、全国でも実施され始めました。
現在では、(社)北海道栽培漁業振興公社瀬棚事業場を主体に人工種苗が生産され、オホーツク海域を除く全道で放流が行われています。
2 種苗生産方法・工程等
クロソイは、胎生魚であり仔魚の状態で産み出されるため、天然親魚を水槽で飼育し、この間に、交尾、受精、出産をさせます。飼育水の加温によって、通常4月~5月頃に出産させます。
産まれた仔魚には、ワムシ、アルテミア、配合飼料の順に組み合わせて給餌し、2ヶ月ほど飼育して全長30ミリメートル前後で種苗として配布します。供給された種苗は、漁港内の浮き生け簀や陸上水槽で、主に配合飼料を与えられて飼育され、その年の秋に全長100mm前後で放流されます。
協力・取材・編集
協力:(社)北海道栽培漁業振興公社 瀬棚事業所
ひやま漁業協同組合 瀬棚支所
取材:檜山北部地区水産技術普及指導所
編集:中央水産試験場普及指導員(現 後志北部地区水産技術普及指導所 普及指導員)
ひやま漁業協同組合 瀬棚支所
取材:檜山北部地区水産技術普及指導所
編集:中央水産試験場普及指導員(現 後志北部地区水産技術普及指導所 普及指導員)