親の飼育方法、特徴
親魚は天然魚及び人工養成魚(3~5歳)です。自然の海水温で飼育します。
飼育中にDHA(ドコサヘキサエン酸)等の脂肪酸含有量の高い餌を与えると、良質卵が得られることが分かってきました。
飼育中にDHA(ドコサヘキサエン酸)等の脂肪酸含有量の高い餌を与えると、良質卵が得られることが分かってきました。
マツカワ親魚:ブランド名は「王鰈(おうちょう)」です。
受精・ふ化の方法、特徴
人工受精法と自然産卵法があります。道立栽培漁業総合センター(現 道総研 栽培水産試験場)では人為的に精子、卵を搾り出す人工受精法で行っています。
親魚の腹部から搾り出した精子と卵を混ぜ合わせて受精させ、ふ化水槽に収容してふ化させます。
親魚の腹部から搾り出した精子と卵を混ぜ合わせて受精させ、ふ化水槽に収容してふ化させます。
陸上施設で飼育していたマツカワの雄から精子を搾り出します。
雌から卵を搾り出します。
搾った卵をボールに受けます。
搾り出した卵です。
搾り出した卵の重量を計ります。
先程搾り出した精子を卵に振りかけます。
指で良く混ぜ合わせ受精させます。
受精卵をふ化水槽に移します。
ふ化水槽でふ化させます。
ふ化した仔魚を200リットルのパンライト水槽で飼育します。
仔魚の成長と共に飼育水槽は500リットルとなります。
ふ化後12日目で大型水槽に移します。
餌料の種類、特徴
仔魚の初期の餌料はシオミズツボワムシを与えます。ナンノクロロプシスも摂餌活性を高めるために添加しています。
成長と共にアルテミア、さらに配合飼料へと種類を変えて与えています。
成長と共にアルテミア、さらに配合飼料へと種類を変えて与えています。
水槽にナンノクロロプシス(植物プランクトン)を投与します。
ナンノクロロプシスはワムシの餌ですが、飼育水の安定や、マツカワの摂餌活動を高めることにも寄与します。
別の水槽で培養されたワムシを回収します。
ワムシを給餌します。
ふ出後約100日経過したマツカワの稚魚です。 体長は約4センチメートルです。
種苗の性質、飼育時間、期間
ふ化後約90~100日で全長3~4センチメートルの種苗にして、夏に各地の中間育成施設に配布します。
中間育成
中間育成は全道各地の陸上施設で行われていて、6月下旬から8月上旬に全長3~4センチメートルの種苗を道立栽培漁業総合センター(現 道総研 栽培水産試験場)と厚岸栽培漁業センターから搬入します。
餌料は主に配合飼料を約3ヶ月間与えて飼育します。
餌料は主に配合飼料を約3ヶ月間与えて飼育します。
中間育成の開始です。
放流サイズまで成長したマツカワの稚魚です。
種苗放流実績
(平成16年度)
全道の放流数は約12万9千尾(日高管内4万6千尾、根室管内2万9千尾、釧路管内1万9千尾、その他3万5千尾)
全道の放流数は約12万9千尾(日高管内4万6千尾、根室管内2万9千尾、釧路管内1万9千尾、その他3万5千尾)
放流時の大きさ、方法、場所
放流サイズの全長は約8センチメートルから14センチメートルでしたが、主体は10~12センチメートルでした。
放流場所・方法は伊達市、様似町、広尾町、大樹町、釧路市、根室市、別海町、網走市などの各地先で主に波打ち際から放流されています。
放流場所・方法は伊達市、様似町、広尾町、大樹町、釧路市、根室市、別海町、網走市などの各地先で主に波打ち際から放流されています。
中間育成が終了し、放流直前のマツカワです。体長は約10センチメートルになりました。
手渡しで沖へ運ばれます。
いよいよ放流です。
放流されたマツカワ(大きくなって帰って来いよー)。
放流され成長した後に、再捕されたマツカワです。
無眼側から見た再捕魚です。鰭の縞模様が鷹の羽に似ていることからタカノハとも呼ばれます。
種苗生産について
1 種苗生産のあらまし
北海道におけるマツカワ種苗生産技術の開発は、昭和57年から旧日本栽培漁業協会厚岸事業場(現水産総合研究センター厚岸栽培漁業センター)で開始されました。 昭和63年には道立中央水産試験場(現 道総研 中央水産試験場)で飼育試験が行われ、平成2年から道立栽培漁業総合センター(現 道総研 栽培水産試験場)で種苗生産技術の研究が行われています。
現在では2機関で3~4センチメートル種苗約20万尾の生産が可能となっており、太平洋、オホーツク海の中間育成施設に配布されています。
また、平成18年度には伊達市、えりも町に北海道栽培漁業伊達センター、同えりもセンターが開所され、8センチメートル種苗100万尾の生産・放流が行われています。
2 種苗生産方法・工程等
栽培漁業総合センター(現 道総研 栽培水産試験場)で行われているマツカワ種苗生産は次の人工受精法で行われています。
3月から4月にかけて飼育しているマツカワで成熟したものを選択し、まず、雄から腹部を手で圧迫して精子を搾り出します。次に雌も同様に卵を搾り出し計量したあと、精子と混ぜ合わせ受精させます。受精卵はふ化水槽に収容し、ふ化後は小型のパンライト水槽で飼育します。
ふ化から約12日後に大型水槽で飼育を開始します。水槽にはナンノクロロプシスと餌のシオミズツボワムシを投与します。餌は成長に伴いアルテミア、配合飼料へと変わっていきます。
全長約3~4センチメートルになったら各地の中間育成施設に移送して約3ヶ月中間育成し、全長約8~10センチメートルで前浜に放流します。
北海道におけるマツカワ種苗生産技術の開発は、昭和57年から旧日本栽培漁業協会厚岸事業場(現水産総合研究センター厚岸栽培漁業センター)で開始されました。 昭和63年には道立中央水産試験場(現 道総研 中央水産試験場)で飼育試験が行われ、平成2年から道立栽培漁業総合センター(現 道総研 栽培水産試験場)で種苗生産技術の研究が行われています。
現在では2機関で3~4センチメートル種苗約20万尾の生産が可能となっており、太平洋、オホーツク海の中間育成施設に配布されています。
また、平成18年度には伊達市、えりも町に北海道栽培漁業伊達センター、同えりもセンターが開所され、8センチメートル種苗100万尾の生産・放流が行われています。
2 種苗生産方法・工程等
栽培漁業総合センター(現 道総研 栽培水産試験場)で行われているマツカワ種苗生産は次の人工受精法で行われています。
3月から4月にかけて飼育しているマツカワで成熟したものを選択し、まず、雄から腹部を手で圧迫して精子を搾り出します。次に雌も同様に卵を搾り出し計量したあと、精子と混ぜ合わせ受精させます。受精卵はふ化水槽に収容し、ふ化後は小型のパンライト水槽で飼育します。
ふ化から約12日後に大型水槽で飼育を開始します。水槽にはナンノクロロプシスと餌のシオミズツボワムシを投与します。餌は成長に伴いアルテミア、配合飼料へと変わっていきます。
全長約3~4センチメートルになったら各地の中間育成施設に移送して約3ヶ月中間育成し、全長約8~10センチメートルで前浜に放流します。
協力・取材・編集
協力:北海道立栽培水産試験場(現 道総研 栽培水産試験場)
取材:日高地区水産技術普及指導所
編集:栽培水試普及指導員(現 胆振地区水産技術普及指導所 普及指導員)
取材:日高地区水産技術普及指導所
編集:栽培水試普及指導員(現 胆振地区水産技術普及指導所 普及指導員)