エゾバフンウニの人工種苗生産と漁場放流状況について
各地区水産指導所では毎年ウニ種苗の生産・中間育成・放流状況について調査しており、その各地の情報を専門技術員が取りまとめたので結果を紹介致します。
1.種苗生産施設
2.種苗生産数
3.中間育成数、方法、生残・成長
沈着期幼生の継続飼育を除いて中間育成を行ったのは53漁協で総育成数量は、2,100万粒でした。
- 中間育成の方法は、(1)海中の垂下籠育成:37漁協、(2)陸上水槽:9漁協、(3)海中溝やプール等:7漁協、(4)海中生け簀方式:4漁協でした。(複数の方法の漁協あり)
- 中間育成の生残率は、不明や南西沖地震で全滅のものを除いた47例の平均は79パーセントでした。育成方法別では、(1)海中籠:81パーセント、(2)陸上育成:87パーセント、(3)海中溝・プール:10パーセント,(4)海中生け簀:76パーセントとなっており、海中溝・プールでの中間育成は極端に生残率が低くなっています。
- 成長については、ほとんどの漁協は5ミリメートル以上の種苗で開始していますが、育成終了時に15ミリメートル以上に育成した漁協は44漁協(全体の77パーセント)に及んでいます。
4.種苗放流
放流時の大きさ(殻径)、数量については各地区の条件で、どの程度が最も効率的かまだ明確ではありませんが、早急に明らかにする必要があると思われます。
5.生産量の推移
6.ウニ栽培漁業協議会について
さて、放流事業の効果的定着を図るため「北海道ウニ栽培漁業協議会」が平成6年度に設置されましたが、各水試の専技が中心となり、ブロックごとの協議会が平成7年度より活動を開始します。各地域での放流効果の把握、「種苗放流マニュアル」に基づく技術の普及などに取り組み効率的なウニ栽培漁業の定着を図っていく予定です。(水産部漁放課水産業専門技術員)