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中央水産試験場

海況速報(2005年02月)

平成16年度 第6号(通算 No.102)
平成17年 3月 31日

北海道立水産試験場

2月上旬から3月上旬の海況

日本海では荒天続きのため十分な観測が行えませんでした。そこで、観測時期が異なりますが利用可能なデータを集めて水温分布図を作成しています。このため空間的な連続性がなく等温線をつなげることが困難なため、日本海では海域を4つに分けて作図しました。44-30N以北の北部日本海、石狩湾周辺海域、檜山西方海域、そして津軽海峡から青森西方海域と分かれています。

海域別情報

日本海海域
北部日本海では、宗谷海峡西方にオホーツク海の水の影響を受けた表面水温が0℃以下の海域が見えます。そこから北海道沿岸域に沿って表面水温が低くなっています。石狩湾では湾奥部の表面水温が4℃以下となっています。その他の海域はデータがありませんが、衛星画像を見ると、奥尻島の南西に暖水渦があるようです。
余市における12月下旬以降3月中旬までの沿岸水温(旬平均)は、「平年並み」から「やや高い」で推移しており、2004年に続いて高温傾向が続いています。特に今年2月中旬から「やや高い」となっており、2年連続して水温の高い冬となっています。
道東太平洋海域
親潮順調

41-00N、145-30E付近に黒潮から北へ伸びた暖水が一部見えています(100m層で8℃以上)。一方道東沿岸は親潮に広くおおわれ(100m層2℃以下)、親潮の一部は襟裳岬南方沖から東北沿岸へ南下しています。また、0m層では1℃以下の沿岸親潮(*1)が襟裳岬南方まで広がっています。水温について見ると、暖水塊の海域を除き平年より低いところが多くなっていますが、平年値に近く、ほぼ平年並みの水温となっています。
道南太平洋海域
沿岸親潮

津軽暖流は沿岸モード(*2)になっています。41-20N、142-40E付近では100層で7℃以上と、津軽暖流の渦モード(*2)起源の暖水が見えています。0m層では水温1℃以下の沿岸親潮(*1)が道東沖から襟裳岬沖に達していますが、噴火湾中央部では50m層まで4℃以上となっており、沿岸親潮は噴火湾へは達していない様です。水温についてみると平年より高いところが多く、白老沖観測線では、50m層より浅い層で水温がやや高くなっています。
オホーツク海海域
海氷のため観測はありません。

資料

資料 観測期間 観測海域
青森水セ(東奥丸) 2005年2月7日〜2月8日 (東北日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 2005年2月14日〜2月16日 (道西日本海海域)
釧路水試(北辰丸) 2005年2月24日〜2月26日 (道東太平洋海域)
釧路水試(北辰丸) 2005年3月7日〜3月8日 (道東太平洋海域)
函館水試(金星丸) 2005年2月7日〜2月9日 (道南太平洋海域)
函館水試(金星丸) 2005年3月3日〜3月4日 (道南日本海檜山海域)
中央水試(おやしお丸) 2005年2月2日〜2月2日 (津軽海峡西方海域)
中央水試(おやしお丸) 2005年2月25日〜2月25日 (石狩湾周辺海域)

*1:オホーツク海の海氷の融氷水を含む親潮として特に沿岸親潮という名前が付けられています。
*2:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。

水温平面分布図

0メートル
    • 表面水温の図
50メートル
    • 50メートル層水温の図
100メートル
    • 100メートル層水温の図
200メートル
    • 200メートル層水温の図

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