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稚内水産試験場

エビ類(ホッコクアカエビ・トヤマエビ・モロトゲアカエビ)

北海道の日本海で漁獲されるエビ類は主にタラバエビ科に属するホッコクアカエビ,トヤマエビ,モロトゲアカエビです。 これらタラバエビ科のエビは,雄性先熟,雌雄同体の特徴的な生活史を持っており,また,これら3種は水深200メートル以深の深海に棲んでいます。

ホッコクアカエビ

エビ1
和名:ホッコクアカエビ
学名:Pandalus eous Makarov
地方名:アマエビ,ナンバンエビ,アカエビなど
生態:日本海,オホーツク海,北海道の太平洋岸からベーリング海,アラスカ湾,カナダ西岸にかけて分布している. 日本海では水深200~900メートルの大陸棚縁辺部に生息している.
3~4月に親エビが腹肢に卵を産みつけ,約10ヶ月後の1~2月に幼生としてふ化する.その後,幼生は40-50日間の浮遊期間を経て着底すると考えられている. 5才までは雄として生活し,5才の秋に性転換し雌となる.翌年の6才の春に初めて産卵し,さらに幼生をふ化させるのは翌年の7才であり,再生産サイクルが非常に長い. 日本海ではふ化後の1年間卵巣成熟期間を要する隔年産卵であるが,海域によってはふ化後すぐ産卵を行なう毎年産卵も確認されている.寿命は約11年.

トヤマエビ

エビ2
和名:トヤマエビ
学名:Pandalus hypsinotus Brandt
地方名:ボタンエビ,トラエビなど
生態:北太平洋北部,ベーリング海,オホーツク海および日本海に分布する.水深100~200メートルに多い. 産卵期は海域によって異なり,北海道日本海では4~6月,ふ化期が3~5月,太平洋では7~9月,ふ化期が1~3月,オホーツク海では産卵期,ふ化期とも4~8月である. 初めは雄として生活し,その後,性転換して雌となる. 性転換をする年齢も海域によって異なり,噴火湾で2.5才,オホーツク海で3.5才,日本海で4.5才である. 雌となってから産卵頻度も海域によって異なり,日本海では隔年産卵,太平洋では毎年産卵,オホーツク海では両タイプが存在する. 日本海では頭甲胸長が48ミリメートルに達し,寿命は8年とされている.

モロトゲアカエビ

エビ3
和名:モロトゲアカエビ
学名:Pandalopsis japonica Balss
地方名:シマエビ
生態:日本海,オホーツク海,道東太平洋の水深200~300メートルに分布する. 産卵期は11~4月に行なわれ,隔年で生涯に2度行なわれる. 卵径は他の2種に比べ大きいが,数が少なく1000粒以下. その後,約1年抱卵し,11~4月にかけてふ化する. 初めは雄として生活し,3~4才にかけて性転換し雌となる.

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