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林産試験場

成果品ギャラリー(2011)

林産試験場で開発した成果品を紹介しています
写真をクリックすると関連記事を見ることができます(2013/3/6更新)
 


 

トドマツ圧縮木材
トドマツ圧縮木材(元の厚さの45%)
トドマツによる圧縮木質内装材
道産針葉樹の中でも低密度で木目が不明瞭なトドマツを材料に,圧縮率55%(元の厚さの45%)の圧縮木材を作成する技術を開発しました。
得られたトドマツ圧縮木材は,木目が明瞭化し,材色はカバに近く,ナラ材同等の硬さを有するので,フローリングに適します。また木材同士による横幅方向への寸法拘束技術(特許申請中)により節部も平滑に仕上げることができ,節の多い道産針葉樹材には適した技術といえます。現在,民間企業が共同研究を通じて事業化を進めています。
海中暴露したスギ心材
海中暴露したスギ心材(それぞれ左が外観,右が軟X線画像)
海洋環境下における木材の耐久性調査
海中で木材を長期間使用する場合,フナクイムシやキクイムシなどの海虫に食害されるため保存処理が必要となりますが,海洋環境における保存処理木材の性能については不明な部分も多いのが実情です。
これらのデータを整備するため,海中に48か月間設置した無処理材および保存処理材の質量減少率,残存強度の経時変化および両者の関係を調査しました。また,48か月間,定期的に海水を噴霧した試験体の質量減少率および残存強度の経時変化を調査しました。これらの結果から,海中環境において48か月を経過しても海虫による食害を抑えることができる保存処理条件を見出すことができました。また,海水がかかるような海上環境においても保存処理の有効性を明らかにすることができました。
設計したプライマーの種特異性の確認
設計したプライマーの種特異性の確認
木材腐朽菌の遺伝子情報の整備と検出技術
DNA情報を用いた方法により木材腐朽の兆候を早期に発見することを目的に,主に野外木質構造物に発生すると思われる10種の腐朽菌について,PCR法による簡易な検出・同定に必要な種特異的プライマーを作製しました。
作製したプライマーを用いることにより,野外木質構造物の腐朽部位から採取した腐朽材と子実体から,腐朽菌を検出・同定することができました。
内部割れ長さとせん断強度の関係図
内部割れ長さとせん断強度の関係図,作成マニュアル
安全・安心な乾燥材の生産・利用マニュアル
内部割れの少ない乾燥技術を開発するために,トドマツ心持ち材に最適な乾燥条件や,乾燥材に適した品質評価手法を検討するとともに,各種強度試験を実施し,内部割れと強度性能の関係を解明しました。
これらの成果及びスギ等を対象に全国の公設試で検討された成果をもとに「安全・安心な乾燥材の生産・利用マニュアル」を作成しました。林産試験場ホームページからダウンロードできます。
/list/forest/research/fpri/manual/kansozai/kansozai.htm
木取りプログラムの実行例
木取りプログラムの実行例
カラマツ大径材木取りプログラム
生産量の増加が予想されるカラマツ大径材から,品質と性能の確かな建築用材を安定供給するための生産技術を検討しました。
乾燥後の割れの発生は,樹心からの距離が大きくなるほど抑制されることが分かり,この知見や熟練作業者からの聞き取り調査を踏まえ,原木の木口形状と樹心位置,曲がり量を画像から数値化し,このデータを基に最適な木取りパターンを提示する「カラマツ大径材木取りプログラム」を開発しました。林産試験場ホームページからダウンロードできます。
/list/forest/research/fpri/manual/karataikeizai/karataikeizai.htm
カラマツ畜舎
カラマツ畜舎
木造畜舎のための構造用材開発と経済・環境評価
畜舎用カラマツ構造材の最適乾燥法を明らかにするとともに,木造,鉄骨造における建築コスト,環境負荷に与える影響,畜舎内環境について比較検討しました。
低コストで割れの少ない畜舎用サイズ(長さ3000mm,仕上がり寸法150mm角)の乾燥材を生産するには,蒸煮12~18時間,高温セット処理18時間の乾燥スケジュールが適していることが分かりました。また,木造の温室効果ガス排出量は鉄骨造より約30%低いこと,ライフサイクルコストでは木造が鉄骨造より安価となること,地域材を使用できる木造では道内の関連分野において大きな経済効果が生まれること等が明らかとなりました。
バイオカス製造と資源循環イメージ
バイオガス製造と資源循環イメージ
木質熱処理チップによるアンモニア揮散抑制技術
家畜糞尿由来のバイオガスを普及する上で,発酵残渣として大量に発生する消化液の利用とともに,消化液からのアンモニア揮散を抑制するための技術開発が必要とされます。
消化液の農地散布時や貯留槽において,アンモニアを吸着する木質熱処理チップを活用することにより,アンモニア揮散が抑制され,土壌の物理・化学性が改善されることが分かりました。また,気相,液相でのアンモニア揮散抑制に好適な木質熱処理物の製造条件を明らかにしました。
70%混練型WPC
70%混練型WPC(切削前,左から無処理,熱処理,アセチル化)
混練型WPCの高木質化技術
混練型WPCは,木材とプラスチックを混練成形した材料です。WPCの木質含有率を高めることで,木質感の向上や化石資源節減などの効果が期待されますが,一方で成形性,耐久性,寸法安定性などの低下が懸念されます。
原料のトドマツ木粉にアセチル化や熱処理などの改質処理を施すことにより,木質含有率を70%としても,押出成形したWPCは表面が平滑で,曲げ強度,寸法安定性に優れたものとなりました。
階層分析法による総合評価例
階層分析法による総合評価例
海岸流木リサイクルのためのシステム提案
胆振地域を対象に,海岸流木の回収・利用を円滑に進めるためのリサイクルシステムを,発生量(雨量規模)ごとに提案しました。システムの検討では,流木のチップ状粉砕処理による敷料・堆肥,ボード,燃料利用のほか住民配付を想定して,流木発生から処理までの各工程(集積,積込,整地,運搬,処理,維持)のコストや環境負荷,住民意見等を総合評価することのできる階層分析法(AHP:Analytic Hierarchy Process )を採用しました。
提案の詳細は,林産試験場報542号をご覧ください。

2010の成果品(2013/3/6に成果品を追加しています)

2009の成果品

2008の成果品

2007の成果品

2006の成果品

2004~2005の成果品

2003の成果品

2002の成果品

2001の成果品

1998の成果品

1997以前の成果品