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林産試験場

成果品ギャラリー(2001)

林産試験場で開発した成果品を紹介しています。(2001/1/12更新)


 

成果の写真 高温乾燥技術
道産トドマツ間伐伐を住宅用構造材に使用するため、100℃以上の高温による人工乾燥を行う技術を開発しました。

高温乾燥技術の特徴

  1. 乾燥温度が通常の条件より極めて高いため乾燥時間の短縮が可能です。
  2. 乾燥後の割れが大幅に抑制され、ねじれや曲がりなどの狂いも低下します。

現在、この高温乾燥材を構造用柱材に用いた住宅の建設が実際に進められています。

成果の写真1 トドマツ中小径材からの柱用集成材
新しいJAS基準に基づいて製作した3層および4層構成のトドマツ柱用集成材です。JAS改正により5層以下の集成材の製造に道が開かれたのを受けて試作したものですが、強度性能は建築基準法で定められた基準値を十分クリアするもので、増加するトドマツ中小径材の新たな利用分野として今後の需要拡大が期待されます。
成果の写真2 低コストWPC製造技術
優れた表面性能をもつWPC(木材・プラスチック複合体)を低コストで製造する技術を開発しました。WPCは硬い、傷つきにくい、汚れにくい、くるいにくいなどの特徴を持っているためフローリング材などによく使われてます。今回の開発技術では含浸する樹脂の種類、量および工程を検討することによって、製造コストの削減を達成しています。
成果の写真3 ブナシメジ新品種
優良な形質を持った北海道独自のブナシメジの菌株を選び出しました。この菌株は従来のものと比べ、短い栽培期間で収穫が可能であることに加え、形態や収量においても優れているため、現在「マーブレ88-8」として種苗法による品種登録を申請中です。
成果の写真4 土壌被覆材(マルチ)
トドマツのチップダストに木タールを混合した土壌被覆材(マルチ)を開発しました。土壌被覆材とは雑草の防除、地温の安定、病害虫発生の抑制を目的に植栽植物の周りに敷設されるものです。木のチップや樹皮、落葉などがよく利用されていますが、今回開発された製品は従来のものと比較して風雨よる飛散が少なく、耐久性や美観にも優れています。 現在、実証試験を継続中ですが木材の新たな有効利用法として建設・土木の方面からも注目が集まっています。
成果の写真5 フォーミング装置による成形パネルの製造
企業との共同研究によってゴムチップパネルの自動フォーミング装置を開発しました。廃タイヤを破砕したゴムチップと建築廃材の木チップを混合・成形して製造するゴムチップパネルは集合住宅の遮音資材として需要が拡大してきています。現在、その製造工程は手作業にたよっているため量産化が困難です。この装置の導入によって高速化による量産・省力化に加え、均一で優れた製品開発が可能となるため、今後の普及に期待がかかっています。
成果の写真6 2×4端材を利用した多目的ブロック
2×4の端材を用いて木のブロック資材を試作しました。煉瓦のように自由にブロックを組み合わせることにより、多彩なデザインが可能でガーデニング用品やエクステリア製品の創作にうってつけの資材と考えられます。原材料が乾燥材で含水率が安定し、面取りも施されているため加工にかかるコストが低く、ブロックの組み上げや分解もゴムハンマーのみで簡単に行えるなどのメリットがあります。
成果の写真7 木質炭化物による塩基性ガス吸着剤
酸性官能基が生成し易い300℃付近の温度域で炭化した木質炭化物による塩基性ガス吸着剤の開発を行いました。木質廃材、間伐材などの未利用木質資源の用途開発の一環として、非常に優れた性能を備えた吸着剤を低コストで製造することが可能です。今後、アンモニアの臭いが問題となるトイレや畜舎用の脱臭剤などを視野に入れて普及を進めていく予定です。
成果の写真8 ベッドサイド家具
高齢者の福祉施設向けに可動式の木製ベッドサイド家具を開発しました。ユニバーサルデザインの採用によりベッドに横たわったまま、あるいは車椅子に載ったままでも快適に使用でき、入居者の様々な姿勢に合わせて、容易に最適なポジションへ移動することが可能です。また、個々の棚の高さが変更可能であることなど機能性にも優れています。
成果の写真9 道産材を用いたI型梁・幅はぎ材
道産材を用いたツーバイフォー住宅用の床根太部材を開発しました。I型梁はフランジに道産トドマツの203・204製材を、ウェブに道産カラマツの構造用合板を使用し、 幅はぎ材は道産トドマツの206製材を2枚はりあわせて製造しています。どちらの開発製品も輸入製品に十分代替可能な性能を持っています。今後の実用化に向けて住宅業界からも大きな期待が寄せられています。
成果の写真10 道産針葉樹構造用合板
道産カラマツ、トドマツ材を用いた等厚構成の構造用合板を製造しました。改正された新しい日本農林規格(JAS)に準じた強度試験を行った結果、これらの針葉樹合板が1級に合格する強度性能を持っていることが証明されています。JASの改正によって単板厚さや積層数などの製造基準がある程度自由になり、構造用合板を製造しやすい条件が整ってきた事を受け、道産材の有効利用、高付加価値化を達成する製品として注目されています。
成果の写真11 油吸着材
木材チップを高温高圧で繊維化した後、一定の温度で炭化して製造した油吸着材です。プラスチック系の製品とほぼ同等の性能を持ち、水をほとんど吸わず、油だけを吸着するという優れた特徴を有します。この開発製品については素材が天然繊維であり、環境に対する負荷の少ない油処理材として各方面から大きな反響が寄せられているため、現在、国内のみならず海外の特許を取得して技術の移転を推進しています。
成果の写真12 木質複合化パイプ
金属のパイプに木材の板を巻き付けて接着して製造した木質複合化パイプです。この開発製品は木材の見た目や触り心地の良さと金属の強度を兼ね備えているため、安全性が要求される木製遊具の細い部材にも安心して使用することができます。使用例としてはテーブルの脚や手すり、フェンス等の他、配線を内部に通せるため、フロアスタンドやパソコンラック等にも応用が可能です。
成果の写真13 生分解性育苗ポット
木質ファイバーに生分解性樹脂ファイバーを混合し、加熱・加圧して得られたボードを原料とした育苗用ポットです。本来は林地へ植栽用に開発されていますが、ファイバーの混合比率・密度などの製造条件を変えることにより、耐久性や形状を自由にコントロールする事が可能なため園芸分野への応用にも期待がかかっています。
成果の写真14 視覚障がい者誘導用ブロック
木片を粉砕して得られる小片とセメントを混合・圧縮して製作された「硬質木片セメント板」を素材として視覚障がい者誘導用ブロックを試作しました。現在、多くの現場で採用されている樹脂製の製品と比較した場合、透水性に優れているため水に濡れても滑りにくく、安全な歩行が可能となっています。また薄物(5mm)にしても十分な強度を有し、耐朽性や耐凍結融解性などの耐久性にも優れています。
成果の写真15 液化炭化物
木質材料を所定条件で炭化処理した後、常温・常圧下で塩基性溶媒蒸気により液化する技術を開発しました。得られた液化物には生分解性の樹脂原料や塗料、各種成型物等としての用途が考えられています。原料は木質廃棄物等でも対応が可能なため、この技術の推進による低質な木材資源の有効利用、高付加価値化に期待がかかっています。

2008の成果品

2007の成果品

2006の成果品

2004~2005の成果品

2003の成果品

2002の成果品

2001の成果品

1998の成果品

1997以前の成果品