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林業試験場

光珠内季報-平成19年度-

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平成19年度(No.147~No.150)

No.150号(2008年3月発行)

  • ニセアカシアはどのような場所に分布しているか(PDF:1.74MB)
    山田健四・真坂一彦
    P1~5
    ニセアカシアの分布域を人工衛星画像解析と現地踏査により把握した結果,美唄市近郊100km2 における分布面積は98.9haであ
    った。把握した分布域の土地利用履歴を過去の空中写真から判読した結果,伐採跡地や農耕地,炭鉱関連施設等の経歴を持つ土地
    が多く,ニセアカシアは攪乱を受けた森林に進入しやすいことが示唆された。
  • グイマツの花芽から翌年の着果量を予測する(PDF:1.01MB)
    内山和子
    P6~9
    グイマツ雑種F1の母樹であるグイマツについて花芽が形成される時期を調べたところ,前年の7月に形成されることがわかった。
    また,花芽数から翌年の着果量を予測する方法を検討したところ,樹冠中部の4年生枝に着生した花芽数と翌年の樹冠全体の球果
    数に関係があり,着果量を予測できることがわかった。
  • 森林ボランティア参加者の満足度を高める運営手法とは -森林ボランティア参加者へのアンケート調査から-(PDF:1.22MB)
    青柳かつら
    P10~13
    森林ボランティア参加者の満足度を高める運営手法を検討するため,参加者にアンケート調査を行った。参加者の満足度を高める
    には,参加者の多様な参加目的を満たし,組織の個性を活かす活動を企画すること,組織内の指導力の質を確保することが重要で
    ある。

No.149号(2008年2月発行)

  • 樹冠長・枝下高を指標としたウダイカンバ大径木の生産技術(PDF:4.1MB)
    大野泰之・勝矢晃敏・竹本 諭
    P1~5
    平均樹冠長と平均胸高直径との関係を解析した。樹冠長が大きい個体ほど径級も大きく、枝下高が低いことが明らかになった。結
    果をもとに、樹冠長・枝下高を指標として「間伐遅れ」となる林齢を仕立て目標とする径級・地位指数別に提示した。
  • リモートセンシング技術を利用した日高地方厚別川流域の山腹崩壊把握(PDF:3.08MB)
    菅野正人・対馬俊之・阿部友幸
    P6~9
    2003年8月の台風10号の大雨による森林被害が発生した厚別川流域を対象に、空中写真や衛星画像を利用したリモートセンシン
    グ技術による山腹崩壊地の把握を試みた。厚別川流域の崩壊地面積は396haで森林面積の1.7%であったこと、山腹崩壊によって
    流出した材積は57,000m2であることがわかった。
  • 集材路が斜面崩壊に及ぼす影響(PDF:3.55MB)
    佐藤 創
    P10~14
    2003年台風10号による斜面崩壊に及ぼす集材路の影響を日高地方の厚別川上流で調べた。集材路延長が長くなると、個々の崩壊
    地の面積が大きくなり、結果として崩壊面積率が高くなることがわかった。
  • エゾシカは多雪地でどのように越冬しているのか?(PDF:3.11MB)
    南野一博
    P15~18
    多雪地に生息するエゾシカの冬期間の分布と食性を調査した。エゾシカは、積雪の増加した期間、深雪を回避するためにトドマツ
    人工林を利用し、狭い範囲に集中していた。食性は、樹皮や枝などの栄養価の低い食物に依存していた。

No.148号(2007年10月発行)

  • 林業試験場が平成19年度に取り組む試験研究のあらまし
  • 絶滅のおそれのある樹木の実生による増殖(PDF:1.47MB)
    八坂通泰
    P9~14
    絶滅のおそれのある樹木7樹種を対象として,自生地外での保全対策を効果的に実施するため,発芽特性,実生苗の生育特性,病
    害虫の発生などについて検討した。その結果、いずれの樹種でも実生による増殖が可能であり、7樹種中4樹種が2年発芽種子であ
    ることや、一定数の苗木を増殖するために採取すべき果実数,病害虫の発生状況など各樹種の実生増殖における注意点が明らかに
    なった。
  • 道路法面緑化における在来緑化植物の活用 -ササにみる在来緑化植物の供給体制の構築-(PDF:1.33MB)
    錦織正智
    P15~19
    生物多様性の保全の観点から,道路法面へ施す緑化には土壌浸食などを抑える災害防止機能のみならず、自然保護や景観形成など
    の機能も求められるになってきた。自然環境と調和を実現する緑化技術の実現には自生植物を緑化素材として生産供給するシステ
    ムを構築する必要がある。このことについてササ苗の生産を例に紹介する。

No.147号(2007年7月発行)

  • 定性間伐と列状間伐におけるハーベスタの生産性の違い(PDF:762KB)
    中川昌彦
    P1~4
    定性間伐と列状間伐におけるハーベスタの生産性について、伐倒対象木の平均単材積に基づいて推測する方法を検討した。定性間
    伐の場合は1日1台当たり伐倒対象木の平均単材積の200倍,列状間伐の場合は284倍となった。間伐においてハーベスタを導入し
    て素材生産のコストを低減するためには、定性間伐よりも列状間伐が有効であると考えられる。
  • 収量-密度図で収穫予測をしよう -カラマツを対象とした新しい施業体系-(PDF:1.34MB)
    滝谷美香・八坂通泰・梅木 清
    P5~10
    林業試験場ではこのたび、長伐期施業に対応した「カラマツ人工林施業の手引き」を出版した。本書中の収穫予測は収量-密度図
    の理論に基づき計算されている。しかし一般的に収量-密度図を利用した収穫予測は利用される機会が少なかった。そこで本書の
    発行を機に改めて収量-密度図の利用方法を説明する。
  • トドマツ精英樹の通信簿(トドマツ精英樹特性表Ver.2 材質特性追加版)(PDF:1.27MB)
    来田和人
    P11~15
    これまで成長形質について作成されていたトドマツ精英樹の特性表に材質の評価を加えて特性表を改訂した。このことで造林成績
    だけではなく、材質面で改良された採取園種苗の提供が可能となった。今後、採取園の改良を行うときの選木基準としてこの特性
    表が用いられる。