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中央水産試験場

海況速報(2012年10月)

平成24年度 第4号(通算 No.148)
平成24年11月12日

北海道立総合研究機構 水産研究本部

9月下旬~10月下旬の海況

海域別情報

日本海海域
積丹半島西方に暖水渦(指標:100m層水温8℃以上),松前西方に暖水域(指標:100m層水温7℃以上)がみられます。また,宗谷岬西方,羽幌沖とせたな沖では,沖合冷水(指標:100m層水温5℃以下)の沿岸方向への張り出しがみられます。このため,対馬暖流(指標:100m層水温6℃以上)は,暖水域の西方,冷水域の東方を通る蛇行した流路になっています。対馬暖流の流量は,前回までは弱勢が続いていましたが,今回は強勢に転じ例年よりも多くなっています。対馬暖流が沿岸よりを流れるせたな沖では,深度30m以浅の流れが例年よりも強くなっています。
水温は,表面の全域で例年よりも4~7℃高くなっています(水温偏差表参照)。また,北緯42度以北の深度50m,100mでは,沖合冷水が東方に張り出す海域で,水温は例年よりも1~6℃低くなっています(水温偏差表参照)。
余市における旬平均水温は,9月上旬から10月中旬まで「非常に高い」状態が続いていましたが, 10月下旬では「やや高い」まで低下しています。
道東太平洋海域
道東沿岸では道東沿岸流(*1)が流れており,その沖合では親潮(指標:100m層水温5℃以下)に広く覆われています。
水温は,道東沿岸流が流れる海域で例年よりも1~2℃高く,親潮が分布する海域で例年よりも1~3℃低くなっています(水温偏差表参照)。
道南太平洋海域
津軽暖流は,渦モード(*2)になっています(指標:200m層水温7℃以上)。
水温は,表面を中心に例年よりも1~2℃低くなっていますが(水温偏差表参照),この要因として,観測時期が例年よりも1ヶ月遅いことが考えられます。
オホーツク海海域
オホーツク海沿岸を宗谷暖流が流れています。しかし,50m深水温の水平分布から,紋別沖を境に南方の沿岸水温が低下しており,宗谷暖流は紋別以南からオホーツク中冷水の影響を強く受けて流れています。
水温は,表面の全域で例年よりも2~7℃高くなっていますが,50m以深では例年よりも低い海域が広くみられます(水温偏差表参照)。
資料
資料 観測期間 観測海域
稚内水試(北洋丸) 2012年9月26日〜9月27日 (道北日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 2012年9月12日 (オホーツク海海域)
釧路水試(北辰丸) 2012年9月19日〜9月20日 (オホーツク海海域)
釧路水試(北辰丸) 2012年10月15日〜10月17日 (道東太平洋海域)
函館水試(金星丸) 2012年9月20日〜9月24日 (道西道南日本海海域)
函館水試(金星丸) 2012年10月30日〜11月1日 (道南太平洋海域)

*1:夏~秋季に道東沿岸を流れるオホーツク海起源の沿岸流を道東沿岸流と呼んでいます。
*2:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。

水温平面分布図

表面水温
    • 表面水温の図
50m層水温
    • 50メートル層水温の図
100m層水温
    • 100メートル層水温の図
200m層水温
    • 200メートル層水温の図

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