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中央水産試験場

海況速報(2000年10月)

平成12年度 第4号(通算 No.76)
平成12年 11月 2日

北海道立水産試験場

9月下旬から10月下旬の海況

海域別情報

日本海海域
岩内沖に暖水渦

前回(8月)岩内西方はるか沖にあった冷水渦にかわり,岩内西方沖に暖水渦(中心:200m層水温6℃以上)が現れました。また,積丹半島北西沖にも暖水渦がとらえられています(中心:200m層水温6℃以上)。これらの暖水渦にはさまれるように,積丹半島西沖に冷水渦がみえています(中心:200m層水温2℃以下)。前回(8月)に積丹半島北西はるか沖にあった暖水渦は,北西方向へ移動したようです。対馬暖流は岩内沖の暖水渦の西方を北上し,天売・焼尻島西方はるか沖を大きく西へ蛇行し,再び武蔵堆まで東進後北上しているようです。衛星画像では,これら対馬暖流の蛇行の様子がよくとらえられており,北緯45度以北においても対馬暖流が西方の沿海州側へ張り出している表面水温の分布になっています。

余市における8月下旬以降10月下旬までの沿岸水温(旬平均)は,8月下旬から9月中旬まで平年値に比べ,「かなり高い」から「やや高い」で推移しましたが,9月下旬に河川水の影響による水温低下を除くと,その後は10月下旬まで「平年並み」で推移しています。
道東太平洋海域
小規模暖水塊

北緯41度,東経146度付近に暖水塊の縁(100m層9℃以上)がみえており,この北西側北緯41度30分,東経145度付近に,比較的小規模な暖水塊が(中心:100m層水温7℃以上)あります。このため,親潮の範囲は(100m層5℃以下)前回より少なくなっています。また,前回(8月)に引き続き,沿岸部では水温は平年に比べ高めになっています。
道南太平洋海域
津軽暖流渦モード

100m層10℃以上の津軽暖流水が東方へ張り出し,襟裳岬の南(東経143度付近)まで広がっており,津軽暖流は前回(8月)に続いて渦モード(*2)になっています。
オホーツク海海域
東カラフト寒流接近中

50m層水温を見ると,12℃以上の範囲が宗谷海峡から知床岬先端まで延びており,宗谷暖流は順調に流れています。水温0℃以下のオホーツク海中冷水が紋別沖および雄武沖観測線の沖合に見られます。雄武沿岸部に水温の低い(塩分も低い)東カラフト寒流の先端部が表面から接近しているようです。

資料

資料 観測期間 観測海域
青森水試(東奥丸) 平成12年 10月 10日から同10月11日 (東北日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 平成12年 9月28日から同10月11日 (道北道西日本海)
稚内水試(北洋丸) 平成12年 10月 19日から同10月21日 (道北日本海)
稚内水試(北洋丸) 平成12年 10月 23日から同10月25日 (オホーツク海海域)
釧路水試(北辰丸) 平成12年 10月2日から同 10月6日 (道東太平洋海域)
金星丸(函館水試) 平成12年 10月11日から同10月14日 (道南太平洋海域)
金星丸(函館水試) 平成12年 10月16日から同10月17日 (道南日本海海域)
中央水試(おやしお丸) 平成12年 9月29日から同 10月3日 (道西日本海海域)

*1:平成元年(1989)~平成11年(1999)までの平均値を使用しました。
*2:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます

水温平面分布図

0メートル
    • 表面水温の図
50メートル
    • 50メートル層水温の図
100メートル
    • 100メートル層水温の図
200メートル
    • 200メートル層水温の図

水温偏差表

海況速報PDFファイル

10月のNOAA画像

    • NOAA画像
      今月の画像

      7日間合成画像です。

水温鉛直断面図

次の断面図がごらんになれます。

日本海

オホーツク海

道東太平洋

道南太平洋

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