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中央水産試験場

海況速報(2002年02月)

平成13年度 第6号(通算 No.84)
平成14年 3月 5日

北海道立水産試験場

1月下旬から2月下旬の海況

海域別情報

日本海海域
積丹半島付近に暖水域

前回(12月)積丹半島西方はるか沖に見えていた暖水塊はほとんど姿が見えなくなり,今回水温の高いところとしてわずかに残っています(例えば,200m層で北緯43度東経138度30分付近の2℃以上)。100m層水温について見ると,積丹半島北部を中心として6℃以上の暖水域が沿岸側に南北に広がっています。道西日本海の対馬暖流の流軸があまり明瞭ではなく,この暖水域と茂津多岬より南方の対馬暖流とは流れとして連続していないようです。また,松前西方には暖水渦(例えば100m層8℃以上)がありますが,松前西方および津軽海峡西口の観測線では水温が累年平均よりかなり低くなっています。今回は留萌西方沖で観測ができました。その結果,松前以北の日本海の200m層でもっとも高い水温(5℃以上)が留萌沖で観測されています。

余市における12月下旬以降2月中旬までの沿岸水温(旬平均)は,12月下旬から1月上旬まで「かなり低い」から「やや低い」で推移していましたが,1月中旬以降2月下旬まで「平年並み」から「やや高い」で推移しています。
道東太平洋海域
親潮は今年も低温

道東沿岸から沖合にかけて,広く親潮でおおわれています。沿岸では50m層まで0℃以下の沿岸親潮(*1)が襟裳岬へ向かって流れています。親潮は襟裳岬から南下するものと襟裳岬を西へ越えて浦河沖まで達するものに分かれています。水温は全体的に平年より低く,昨年より引き続き低温傾向となっています。
道南太平洋海域
沿岸親潮流入中

昨年4月からの新金星丸の就航に伴い,観測点の数が増えより詳しく海況が概観できるようになりました。その結果,これまで見えていなかった小規模の渦が見え,津軽暖流系水と親潮系水とが入り組んだ複雑な海況となっています。津軽暖流は沿岸モード(*2)になっています。水温は東経141度20分の観測線北側の50m層および100m層でやや高くなっていますが,0m層では水温2℃以下の沿岸親潮(*1)が浦河沖から噴火湾湾口まで広く道南太平洋をおおっており,一部は表層から噴火湾内へ流入し始めています。
オホーツク海海域
海氷のため観測はありません。
資料
資料 観測期間 観測海域
青森水試(東奥丸) 平成14年 2月 5日から同2月6日 (東北日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 平成14年 2月20日から同2月22日 (道北日本海)
釧路水試(北辰丸) 平成14年 2月21日から同2月23日 (道東太平洋海域)
函館水試(金星丸) 平成14年 2月2日から同2月5日 (道南太平洋海域)
中央水試(おやしお丸) 平成14年 1月29日から同 2月2日 (道西日本海海域)
中央水試(おやしお丸) 平成14年 2月 4日から同 2月5日 (道西日本海海域)

*1:オホーツク海の海氷の融氷水を含む親潮として特に沿岸親潮という名前が付けられています。
*2:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。

水温平面分布図

0メートル
    • 表面水温の図
50メートル
    • 50メートル層水温の図
100メートル
    • 100メートル層水温の図
200メートル
    • 200メートル層水温の図

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水温鉛直断面図

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