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中央水産試験場

海況速報(2004年06月)

平成16年度 第2号(通算 No.98)
平成16年 6月 22日

北海道立水産試験場

5月下旬から6月中旬の海況

海域別情報

日本海海域
対馬暖流落ち着く

前回(4月)に非常に優勢であった道西日本海の対馬暖流は、流量、水温ともにほぼ平年並みまで落ち着いて来ました。岩内西方沖と奥尻島南方に暖水渦が見えます(例えば、100m層水温8℃以上)。対馬暖流はこれらの暖水渦の西側を、武蔵堆西方へ向けて北上しています。水温偏差について見ると(水温偏差表参照)、50m層以深では、留萌西方から北部の日本海では水温が高めとなっていますが、全般的に平年並みのところが多くなっています。
余市における4月下旬以降6月中旬までの沿岸水温(旬平均)は、4月下旬から5月上旬まで、「平年並み」で推移し、5月下旬に「かなり高い」となりましたが、その後は「やや高い」~「平年並み」で推移しています。
道東太平洋海域
暖水塊そのまま

道東沿岸は親潮でおおわれ、沿岸親潮(*1)の50m層で2℃以下の部分は、道東沿岸から襟裳岬まで断続的に見えています。また、前回(4月)に引き続き、41-00N、146-00E付近を中心に暖水塊が見えています。親潮はこの暖水塊と津軽暖流の間の144E付近を南下しています。100m層より浅いところでは、津軽暖流起源の暖水が襟裳岬南方まで張り出しています。水温偏差について見ると、暖水塊の海域付近を除き、平年より低いところが多くなっていますが、平年値に近く、前回(4月)に続いてほぼ平年並みの水温が多くなっています。
道南太平洋海域
津軽暖流系水広がる

道南沿岸の襟裳岬から室蘭の50mより浅いところでは、沿岸親潮(*1)に代わり津軽暖流系水におおわれています。100m層を見ると、津軽暖流は渦モード(*2)ではありませんが、津軽暖流起源の暖水が襟裳岬南方まで張り出しています。この暖水の南側を回って、八戸沖へ向かって親潮系の冷水域が入り込んでいるようです。噴火湾内の50m層では、4℃以下の沿岸親潮が広がっています。水温偏差についてみると、100m層より浅いところで平年より水温が高いところが多くなっていますが、全般的に平年並みの水温となっています。
オホーツク海海域
宗谷暖流順調

表面水温では、知床半島まで9℃以上となっており、50m層も知床半島まで7℃以上となっています。宗谷暖流は順調に流れているようです。宗谷海峡東方に表面水温6℃以下の海域があり,塩分値からオホーツク海の中冷水起源の冷水域と判断しました。また、枝幸沖では宗谷暖流の北東沖にも表面水温で8℃以上の暖水域が見えます。水温偏差についてみると、紋別沖の50m層で宗谷暖流が沖側にやや蛇行しているため、水温が高くなっているところがありますが、全般的に平年並みのところが多くなっています。
資料
資料 観測期間 観測海域
青森水試(東奥丸) 2004年6月1日〜6月2日 (東北日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 2004年5月24日〜5月26日 (道西日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 2004年5月31日〜6月3日 (オホーツク海海域)
釧路水試(北辰丸) 2004年5月25日〜6月1日 (道東太平洋海域)
函館水試(金星丸) 2004年6月14日〜6月16日 (道南太平洋海域)
中央水試(おやしお丸) 2004年5月31日〜6月4日 (道西日本海海域)
中央水試(おやしお丸) 2004年6月8日〜6月9日 (道西日本海海域)

*1:オホーツク海の海氷の融氷水を含む親潮として特に沿岸親潮という名前が付けられています。
*2:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。
*青森水試の現在の機関名は青森県水産総合研究センターです。

水温平面分布図

0メートル
    • 表面水温の図
50メートル
    • 50メートル層水温の図
100メートル
    • 100メートル層水温の図
200メートル
    • 200メートル層水温の図

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水温鉛直断面図

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