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こんなシゴト、こんな研究。
冷蔵状態で微生物の繁殖を抑え、
おいしさをもっと長く、
もっと遠くへ!
北海道の食関連産業のため、食品の加工や保存に関する研究開発を行っているのが、道総研の食品加工研究センター(食加研)です。
私は民間企業を経てここの職員となり、現在は食品を長持ちさせるための微生物の抑制方法について研究を行っています。食品の保存期間を伸ばすには、いわゆる「レトルト」で加圧・加熱による殺菌をするのが一般的。しかしこの方法では、味や食感、風味などが損なわれてしまい、ベストな方法とは言えません。一方、私が取り組んでいるのは、冷蔵庫内と同じ「10℃以下」という条件で、品質に悪影響を及ぼす微生物の繁殖を抑制するというもの。味への影響は最小限にとどめつつ、食品を長持ちさせる方法を模索しています。
北海道のおいしい食材を冷蔵状態で全国に届けたいというニーズは多く、この研究が実を結べば、食関連産業の発展に貢献できると考えています。
食加研では私のように民間企業を経験してきた人も多く働いています。民間経験を持つ人たちは現場の実務に詳しく、コスト管理や衛生管理など、さまざまな専門性をもっています。そうした人と一緒に働けるのもこの職場の魅力のひとつです。
私の「例えばの」一日
フレキシブルな勤務も可能!
事前に申請をしておけば通常より早く出勤し、
そのぶん早く退勤するなど、
フレキシブルな勤務も可能です。
- 8:15
- 始業
- 9:00
- メール対応、実験の準備
- 12:00
- 昼食
- 13:00
- 実験
- 15:00
- デスクワーク
- 17:00
- 退勤
私は大学時代から微生物についての研究を行い、どうすれば食品のおいしさを長く保てるかを模索してきました。実験は温度やpHなどいくつもの条件を変えて行いますが、結果が出るのは早くても数カ月後。根気強さとスケジュール管理が大切な仕事です。
上司からエール!
着眼点のユニークさとタフネスを
持ち合わせた将来有望な研究者です。
食関連産業は北海道の主要産業です。魅力あふれる北海道食材を道内外、海外へ発信する。そのための技術開発や道内食品企業の技術支援を行うのが食品加工研究センターの使命です。
私たちのグループでは主に食品のロングライフ化という重要なテーマについて研究を行っています。小林くんは、10℃以下の冷蔵庫の中という条件を定め、その下で繁殖する微生物を模索し、おいしくて長持ちする食品を製造する研究に取り組んでいます。こうした研究は他の研究機関や大学でも例がありません。
研究者として、こうしたユニークなアプローチができることは強みですが、小林くんはさらに、的確な計画を立てて遂行する堅実さも備えています。食関連業界からも一目置かれており、食加研の未来を担う優秀な研究者ですね。
なんでもQ&A
その質問、センパイが教えます。
- 前職では
どんな仕事を? - 私の前職は缶詰の缶やレトルトパウチの製造を手がける本州の容器メーカーでした。その技術職として入社し、食品と微生物の関わりについて研究をしていました。味や匂いに影響する菌の研究など、今の仕事につながるものも多かったです。一度は民間企業に就職しましたが、研究の面白さを再確認し、道総研に就職するきっかけにもなりました。
- 今の研究の
やりがいは? - 冷蔵状態で食品を長持ちさせる技術は、実はこれまであまり研究されていませんでした。参考にできる資料が少なく、手探りで進めていかなければならない大変さはありますが、こうした技術に対する食関連産業からのニーズは少なくありません。共同研究等の引き合いも多数。企業から招かれて研究成果を紹介させてもらうこともしばしばです。社会から必要とされる技術を研究することに大きなやりがいを感じています。
- 他には
どんな研究を? - 道総研の奨励研究制度を活用し、微生物の増殖を数理モデル化するという研究に取り組んでいます。特定条件の下でどの程度、微生物が増えるかのモデルを構築できれば、誰もが簡単に食品がいつまで日持ちするかという予測が立てられるようになると考えています。まだ始まったばかりの研究ですが、食関連業界に貢献できるような成果が出せればと思っています。
- 職場の
雰囲気を教えて! - 分野が違っても研究者同士の交流があり、風通しの良い職場だと思います。例えば企業対応では自分の専門分野以外の相談が寄せられることが多く、そんな時も周りの仲間が快く協力してくれます。企業対応に長けたベテランの研究者もいて頼りになります。食加研という組織全体で、地元の産業に貢献しようという意識が感じられます。
道総研のココがいい!
男性の子育てにも
理解のある職場。
私もいろいろな制度を
活用しました!
民間企業と比べても道総研は福利厚生の仕組みが整っていると感じます。例えば有給休暇についても、「一日単位」「半日単位」という大まかな枠ではなく「一時間単位」で取得可能。有給休暇を無駄なく使えるのは、メリットが大きいです。またこの職場は子育て世代の支援にも前向きで、男性ももちろん育児休暇の取得が可能。私は昨年、配偶者出産休暇や育児参加休暇を取得しました。仕事もプライベートも大切にできる環境に満足しています。
