道総研をフカボリ!産業技術環境研究本部

掲載データは令和3年4月1日時点のデータでの所属・研究内容であり、
現時点では変更となっている場合があります。

こんなシゴト、こんな研究。

再生可能エネルギーを
地域社会の主電源へと育て上げていくために。

エネルギー・環境・地質研究所では、持続可能な地域社会の創造に貢献するために、エネルギーや環境、地質分野の研究課題に総合的に取り組んでいます。私は牛の排泄物などから発生するメタンガス等を活用した「バイオガス発電」や、「太陽光発電」などの再生可能エネルギーを利用した電力と「蓄電池」を組み合わせた電力ネットワークを地域内に形成するための研究を担当しています。

現在発電に使われている化石燃料は有限である上に、二酸化炭素を排出し地球温暖化を加速させているという懸念も。世界的な取り組みであるSDGs(持続可能な開発目標)においても「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」という目標が掲げられているように、資源のリサイクルや環境保全にも貢献するエネルギーの研究は、現代社会の最も重要な課題のひとつです。道のりは遠いですが、いつか再生可能エネルギーを地域社会の主電源へと育て上げることが最終目標です。

美しく豊かな北海道の自然を子どもたちに引き継いでいくためにも、熱意を持って取り組みます。

  • 林田さんこんなシゴトこんな研究1
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ココでフカボリ!絶妙なバランスを探し当てる研究。

太陽光は大きな電源ですが発電できるのは昼間のみ。バイオガス発電は任意に出力調整が可能だけれどもニーズに応じて急に出力を変化させることは難しい。これらを補完する蓄電池の電力には限りがある。この3つの電源を最も効率的に運用することが研究のキモ。答えにたどり着くまであと少し…です!

私の「例えばの」一日

おすすめのリフレッシュは
昼休みのキャッチボール!

  • 林田さん例えばの一日1
  • 林田さん例えばの一日2
  • 林田さん例えばの一日3

実験室での試験のほか、再生可能エネルギーの実験拠点となっているオホーツクの興部町でフィールドワークに取り組むことも多い。
ちなみに夕方の子どもとの時間を大切にしているため時差出勤を取り入れています。

8:15
時差出勤/スケジュール確認
9:00
メール対応
10:00
実験室にて作業
12:00
ランチ/キャッチボール
13:00
オンライン会議
15:00
実験室にてデータ整理
17:00
時差退所

ココでフカボリ!気分転換も大切なのです。

研究室に閉じこもっていると、ついつい煮詰まってしまうもの。そんな時には昼休みのキャッチボールがオススメ。頭がスッキリ、いいアイデアが浮かぶ予感も!スポーツ好きが多いのも道総研の一面なのです。

上司からエール!

専門家とのネットワークを駆使し、
成果をまとめ上げていくディレクター的存在。

道総研の場合、上司と言っても同じ研究グループのメンバーであることが多く、私と林田さんもそのような関係。質の高い研究に打ち込めるよう、さらに研究成果をいち早く報告したり現場にフィードバックしたりできるよう、研究手法やデータをこまめに共有しながら切磋琢磨を繰り返しています。林田さんは民間企業経験者ということもあり、研究においても合理性や効率を非常に重視するタイプ。各分野の専門家やオーソリィとのネットワークを上手に活用しながら、成果をまとめ上げていく〝ディレクター〟のような研究者です。当然視野も広く、視も俯瞰的。環境とエネルギーという地球規模の課題に立ち向かうにふさわしい人物です。
道総研に彼のような研究者が増えていくことを期待しています。

なんでもQ&A

その質問、センパイが教えます。

民間企業から
転職した理由は?
北海道大学に在籍中から自動車メーカーとの共同研究に取り組み、半導体ナノワイヤの基礎研究でいくつかの成果も挙げていました。大学院を修了後はそのまま共同研究先のメーカーの研究所に就職、主にバッテリーについて9年ほど研究開発を重ねました。
やりがいや充実感はありましたが、その一方で一つの企業のためではなく広く社会のための研究がしたい、大学時代を謳歌させてらった北海道への恩返しがしたいという思いが募るようになり、道総研の研究職の道へと進みました。日々、その選択は正しかっと実感しています。
前職での経験は
活かせるのでしょうか?
研究内容や達成目標が全く違うので、技術やノウハウにおいても活用できるものとできないものがある…というのが本音です。
ただそういった知識や技術より何倍も役に立つのが、それまで培ってきた多くの方々との繋がり。企業の研究者、国内各大学の人、学生時代の先輩たち…それぞれの分野の専門家から意見、提案、アドバイスをいただけるからこそ、今日の自分の研究があるとくづく実感しています。研究とは一人で抱え込むのではなく、人脈を活用し知恵を拝借しながら進めていくもの…これ、私の持論です。
日々のやりがいは
なんですか?
研究と一言で言っても大きなプロジェクトなどの場合、担当が細分化される事が多くさらに期間が長くなると、実用化された時は全く違う研究を担当していた…というケースも珍しくありません。
道総研では各部署にビジョンは与えられますが、具体的な研究テーマは各研究者が掲げ、最後までその研究者が担当することが慣になっています。私のエネルギーミックスの研究においても、基礎研究から応用さらに実用化に至るまで、全工程に自分が関わるとができるので、やりがい感もひとしおです。とはいえ研究は地道な取り組みの連続。モチベーションが低下しないよう一週間ごに小目標をたて、それを一つひとつクリアしていくようにしています。
道総研にフィットするのは
どんな人?
研究のための研究に取り組む方より、北海道が抱える数多くの課題解決のために、チームワークやネットワークを駆使しながら頑張ってくれる方がいいでしょうね。
大学や大学院で培った探究心を胸に新卒で働き始めるのも結構ですが、私のように一度民間企業で働いてから転職するというのもオススメ。民間企業の事情、研究員の心意気などを目の当たりにすると一層視野が開けますから。
わたし的には子育てをする上で北海道は最高の土地。道総研は北海道好きの研究者にはもってこいの職場だと思っています。

道総研のココがいい!

若い探究心を未来の北海道へ。
自分が取り組みたい研究テーマを
プレゼンする研究奨励制度。

研究者であれば、未知の分野の探求や新たな謎の解明に取り組みたいもの。道総研では、北海道産業等への具体的な貢献を重視していますが、チャレンジングなテーマについても取り組める研究制度が用意されています。それが研究奨励制度です。取り組みたい研究テーマやその成果について道総研内部でのプレゼンが通れば、その研究に対する予算や時間などを獲得できます。私は同制度を利用して個人的にも関心の高かった『世界で急速に普及が進むハイブリット車や電気自動車等で使用済みとなった蓄電池を2次利用する研究』に挑戦しています。研究者の探究心を応援してくれるのも道総研の魅力です。

産業技術環境研究本部 林田淳の画像