大雪山系の湖沼

十勝、オホーツク、上川の3つの総合振興局にまたがるこのエリアには、ミヤベイワナや冬のコタンで有名な然別湖、タウシュベツ川橋梁で有名な糠平ダム湖のほか、大雪山周辺の高原に比較的小さな天然湖が数多くある。山岳地帯のため、湖沼の水質は全体として有機物や栄養塩、イオン成分が比較的少ない。一方、湖底部のみ非常に高いイオン成分を有する然別湖や、地質の影響から山地のダム湖としては比較的高いリン濃度を示す糠平ダム湖など、火山活動等に由来する独特な水環境も見られる。

エリアの湖沼の水質

エリアの地形・気象など

このエリアは、旭岳や十勝岳など標高2000 m前後の山々が連なる北海道中央部の山岳地帯である。エリアの南東部は然別火山群から成り、然別湖をはじめ、火山活動でできた湖沼がある。エリアの北西部は大雪・十勝火山群から成り、0.1 km2か、それにも満たない小さな湖沼が、1000~2000 mの標高域に点在している。ここには、面積が1 ha(0.01 km2)以上の主要な湖沼のみ掲載しているが、山々の中腹の、溶岩によってできたと思われる比較的平坦な場所には、1 haに満たない小さな湖沼が無数に点在している。沼ノ平湿原や沼ノ原湿原などの湿原内には、大小様々な形をした多数の池塘がある。

北海道の中でも寒冷なエリアであり、糠平ダム湖のあるぬかびら温泉郷の年平均気温(平年値)は4.0℃、1月の平均気温は-10.5℃となっている [1]。然別湖周辺では永久凍土によって夏でも冷気が吹き出る「風穴(ふうけつ)」という地形が多く見られる [2]。年降水量(平年値)は、ぬかびら温泉郷で1382.6 mm、層雲峡で1418.1 mmであり [1]、夏から秋にかけて降水量が比較的多くなる。また、道内でも豪雪地帯として知られ、最深積雪深は、ぬかびら温泉郷で81 cm、層雲峡で108 cmに達する [1]

エリアマップ
エリアの気象

湖沼の紹介

水質データ更新・UAV撮影画像

[1] 気象庁, 過去の気象データ. URL: https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/index.php(2025年2月19日時点)

[2] 環境省, 大雪山国立公園 公園の特長. URL: https://www.env.go.jp/park/daisetsu/point/index.html (2025年2月19日時点)