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中央水産試験場

海況速報(2001年06月)

平成13年度 第2号(通算 No.80)
平成13年 7月 31日

北海道立総合研究機構 水産研究本部

5月下旬から6月上旬の海況

金星丸就航

函館水産試験場所属の金星丸がこの4月より新しくなり,これに伴って,道南太平洋の観測点が変更になりました。函館水産試験場所属の金星丸がこの4月より新しくなり,これに伴って,道南太平洋の観測点が変更になりました。観測点は現在暫定的なものですが,より解像度の高い水温分布図が得られるようになりました。

修正版海況速報1(1999年12月〜2000年6月)、修正版海況速報2(2000年8月〜2000年12月)は下にあります。

海域別情報

日本海海域
奥尻南東方暖水渦

100m層水温で見ると,奥尻島南東に暖水渦があり,この暖水渦の東,松前西方に冷水域があります。表面水温では松前西方,渡島大島東方の冷水域となって見えています。本道西岸の対馬暖流はこの暖水渦の西方を北上し,積丹半島北方から東へ向かい,沿岸よりに流れているようです。水温について見ると,対馬暖流の沖合の冷水域で平年より低く,4月から低温傾向が継続しています。
余市における5月中旬以降7月中旬までの沿岸水温(旬平均)は,「やや高い」~「やや低い」で推移しています。
道東太平洋海域
親潮勢力強い

道東海域は4月に引き続いて広く親潮におおわれ,水温は全般に低めとなっています。千島列島沿いに道東海域へ流れ込んだ親潮は,襟裳岬から東北沿岸へ南下しています。暖水塊や暖水塊の縁が北緯40度,東経145度30分付近にみられます。最も東にある暖水塊(北緯41度,東経147度付近)の南側を親潮が回り込んでいるようです。
道南太平洋海域
津軽暖流は移行中

親潮が襟裳岬から東北沿岸へ南下し,その先端部は尻屋崎西方に達しています。そこでは津軽暖流との水温差が大きくなっています。函館沖津軽海峡では50m層で水温3℃以下の沿岸親潮(*1)が残っていますが,100m層より浅いところでは,水温は全般的に高めとなっています。津軽暖流は渦モード(*2)に移行しつつあるようです。
オホーツク海海域
冷水帯現れる

表面水温13℃以上の海域は紋別沖まで達しており,50m層でも知床半島まで8℃以上となっています。表層では沖合冷水帯が見られます。水温についてみると,ほぼ平年並みとなっています。

資料

資料 観測期間 観測海域
青森水試(東奥丸) 平成13年 5月 29日から同5月31日 (東北日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 平成13年 5月 21日から同5月24日 (道北日本海)
稚内水試(北洋丸) 平成13年 5月 28日から同5月29日 (道北日本海)
稚内水試(北洋丸) 平成13年 6月 4日から同6月8日 (オホーツク海)
釧路水試(北辰丸) 平成13年 5月30日から同 6月5日 (道東太平洋海域)
函館水試(金星丸) 平成13年 5月29日から同5月30日 (道南太平洋海域)
中央水試(おやしお丸) 平成13年 5月28日から同 5月31日 (道西日本海海域)
中央水試(おやしお丸) 平成13年 6月5日から同 6月7日 (道西日本海海域)

*1:オホーツク海の海氷の融氷水を含む親潮として特に沿岸親潮という名前が付けられています。
*2:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。

水温平面分布図

0メートル
    • 表面水温の図
50メートル
    • 50メートル層水温の図
100メートル
    • 100メートル層水温の図
200メートル
    • 200メートル層水温の図

海況速報(水温偏差表付)PDFファイル

水温鉛直断面図

次の断面図がごらんになれます。

日本海

オホーツク海

道東太平洋

道南太平洋

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