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中央水産試験場

海況速報(2007年04月)

平成19年度 第1号(通算 No.115)
平成19年5月11日

北海道立水産試験場

4月中旬から4月下旬の海況

今年度は燃油代高騰等財政事情により海域によっては観測点の数を減らしています。 

海域別情報

日本海海域
道西日本海では暖水渦が見えず、例年同時期に比べ対馬暖流はあまり蛇行せず、対馬暖流は北海道西岸に沿ってまっすぐ北上しています。対馬暖流の流量は平年並みとなっています。水温偏差について見ると(水温偏差表参照)44N以北の北部日本海ではほぼ平年並みですが、石狩湾湾口部の表面水温がやや高くなっています。また、J33(43-30N 140-40E)200m深の水温がかなり高く、過去最高となっています。津軽海峡西方(41-30N)では、対馬暖流が西へ蛇行していないため、水温が平年より低いところがあります。
余市における3月中旬以降4月下旬までの沿岸水温(旬平均)は、3月中旬から4月上旬にかけて「やや低い」から「平年並み」で推移しましたが、4月中旬から4月下旬にかけて「やや高い」から「かなり高い」となっています。
道東太平洋海域
黒潮系の暖水(145E付近の表面水温で8℃以上)が北上し41Nに達しています。41N付近には小規模な暖水塊が複数見えています(例えば40-30N、145-00E 200m層5℃以上および41-00N 146-30E 200m層4℃以上の海域)。50m層では水温2℃以下の沿岸親潮(*1)が襟裳岬沖を越えて西へ広がっています。100m層で2℃以下の親潮におおわれている海域が平年より少なくなっています。水温偏差について見ると(水温偏差表参照)、襟裳岬側白糠沖観測線で平年より2~3℃水温の高いところがあります。
道南太平洋海域
道南太平洋海域では表面(0m)と50m層で平年より1~3℃、水温の高いところが多くなっています(水温偏差表参照)。津軽暖流は沿岸モード(*2)になっています。
オホーツク海海域
紋別沖では表面水温が6℃、50m層水温でも5℃以上となっています。網走沖では50m層2℃以下ですが、100m層では3℃以上となり、宗谷暖流は潜流となって網走の沖まで達しています。水温偏差について見ると(水温偏差表参照)、水温は全体的に高めになっています。特に、宗谷暖流の潜流が沖に広がっている網走沖観測線O33では、平年より4.8℃水温が高くなっています。一方、この網走沖観測線や知床岬沖観測線の44-30N以北では平年より1~2℃水温の高いところが多くなっています。特にO44地点の100m層水温は、平年では-1℃以下の水温ですが、平年より2.2℃高い0.64℃となっています。
資料
資料 観測期間 観測海域
開運丸(青森水総セ) 2007年04月12日〜04月13日 (東北日本海海域)
釧路水試(北辰丸) 2007年04月10日〜04月17日 (道東道南太平洋海域)
函館水試(金星丸) 2007年04月11日〜04月12日 (道南太平洋海域)
函館水試(金星丸) 2007年04月23日〜04月26日 (道南太平洋海域)
稚内水試(北洋丸) 2007年04月11日〜04月17日 (道北日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 2007年04月23日〜04月26日 (オホーツク海海域)
中央水試(おやしお丸) 2007年04月11日〜04月17日 (道西日本海海域)
中央水試(おやしお丸) 2007年04月23日〜04月25日 (道西日本海海域)

*1:オホーツク海の海氷の融氷水を含む親潮として特に沿岸親潮という名前が付けられています。
*2:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。

水温平面分布図

表面水温
    • 表面水温の図
50m層水温
    • 50メートル層水温の図
100m層水温
    • 100メートル層水温の図
200m層水温
    • 200メートル層水温の図

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