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中央水産試験場

海況速報(2010年04月)

平成22年度 第1号(通算 No.133)
平成22年5月14日

北海道立総合研究機構 水産研究本部

4月中旬~下旬の海況

海域別情報

日本海海域
奥尻島周辺海域に暖水域(指標:100m層水温6℃以上),積丹半島の北西沖には暖水渦(指標:200m層水温4℃以上)がみられます。しかし,津軽海峡付近では,対馬暖流の大部分が津軽海峡へ流入しており(指標:100m層水温6℃以上),対馬暖流の明瞭な北上流はみられません。北海道西方沖の対馬暖流の流量は例年の2割程度と極端に少なくなっています。
水温は,暖水塊が分布する海域の100m,200m層で1~3℃高い他は,おおむね例年よりも低くなっています。特に,松前西方のJ5線では,例年よりも3℃以上低くなっている海域が多くみられています(水温偏差表参照)。
余市における旬平均水温は,2月下旬では「かなり高い」でしたが,それ以降低下傾向にあり,5月上旬では「やや低い」になっています。
道東太平洋海域
前回に引き続き,沿岸親潮(*1,指標:水温2℃以下)が道東沿岸を流れています。また,道東沖は広く親潮(指標:100m深水温5℃以下)に覆われています。
水温は,沿岸親潮の上流部(根室半島沖)で例年よりも1~2℃低く,親潮域で1~2℃高くなっているところがみられます(水温偏差表参照)。
オホーツク海海域
宗谷暖流がオホーツク海沿岸を順調に流れています。また,紋別沖,網走沖では暖流の幅が広くなっています(指標:100m層水温4℃)
水温は,宗谷暖流域で,例年よりも約1~3℃高いところがあります(水温偏差表参照)。
道南太平洋海域
前回は,沿岸親潮が道南太平洋海域を広く覆っていましたが,今回は沿岸親潮の当海域への流入はみられません。津軽暖流は沿岸モード(*2)ですが,暖流から派生したと推察される暖水域が浦河沖にみられます(指標:100m層水温6℃以上)。
水温は,浦河沖と噴火湾湾口の100m,200m層で例年よりも1~2℃高くなっています(水温偏差表参照)。
資料
資料 観測期間 観測海域
稚内水試(北洋丸) 2010年4月16日〜4月21日 (道北日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 2010年4月26日〜4月28日 (オホーツク海海域)
函館水試(金星丸) 2010年4月16日〜4月19日 (道西道南日本海海域)
釧路水試(北辰丸) 2010年4月15日〜4月22日 (道南道東太平洋海域)

*1:オホーツク海の海氷の融氷水を含む親潮として特に沿岸親潮という名前が付けられています。
*2:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。

水温平面分布図

表面水温
    • 表面水温の図
50m層水温
    • 50メートル層水温の図
100m層水温
    • 100メートル層水温の図
200m層水温
    • 200メートル層水温の図

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