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中央水産試験場

海況速報(2010年12月)

平成22年度 第5号(通算 No.137)
平成22年12月27日

北海道立総合研究機構 水産研究本部

11月中旬~12月中旬の海況

海域別情報

日本海海域
200m層水温の水平分布から,岩内のはるか西方沖は暖水域(指標:100m層水温4℃以上)になっています。また,積丹半島以北では,沖合冷水(指標:100m層水温4℃以下)が沿岸側に張り出しており,このため,対馬暖流の流路(指標:100m層水温6℃以上)は例年よりも沿岸寄りになっています。
水温は稚内西方はるか沖合海域で例年よりも2~4℃低くなっています(水温偏差表参照)。また,J3線の沿岸側では,深度200m層水温が例年よりも約1℃高くなっており(水温偏差表参照),このため,対馬暖流の流量は例年よりも7割程度多くなっています。
余市における旬平均水温は,11月中旬に「かなり低い」になりましたが,それ以降は「平年並み」で推移しています。
道東太平洋海域
道東沿岸では,道東沿岸流が流れています(指標:50m層水温7℃以上)。また,道東沖の低層(深度100m以深)では親潮(指標:水温5℃以下)がほぼ全域に分布しています。
水温は,黒潮系北上暖水の影響が少ないため,親潮が分布している海域で例年よりも1~5℃低くなっています(水温偏差表参照)。
オホーツク海海域
オホーツク海の表層(深度50m以浅)を東カラフト海流(指標:50m層水温6℃以下)が広く覆っています。このため,宗谷暖流は紋別沖から潜流となって流れています。
水温は,東カラフト海流の水温が高いため,前回の観測時に引き続き,表面から50m層を中心に例年よりも1~4℃高くなっています(水温偏差表参照)。この高水温化は観測時期が例年よりも半月ほど早かったことが一つの要因と考えられますが,気象庁ホームページの北海道周辺日本東方海域旬平均海面水温によれば,観測した時期においてもオホーツク表層は例年よりも高い状況でした。
道南太平洋海域
100m層水温の水平分布から,津軽暖流は沿岸モード(*1)になっています。また,200m層では,日高沖の沿岸側に親潮がみられます。
水温は,表面と50m層で,例年よりも約1℃高い海域が広くみられます(水温偏差表参照)。また,200m層では,夏以降も低温傾向が継続しており,例年よりも1~3℃低い海域が広くみられます(水温偏差表参照)。
資料
資料 観測期間 観測海域
稚内水試(北洋丸) 2010年12月1日〜12月7日 (道北道西日本海海域)
函館水試(金星丸) 2010年12月6日〜12月14日 (道南日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 2010年11月16日〜11月18日 (オホーツク海海域)
函館水試(金星丸) 2010年12月2日〜12月5日 (道南太平洋海域)
釧路水試(北辰丸) 2010年11月30日〜12月6日 (道東太平洋海域)

*1:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。

水温平面分布図

表面水温
    • 表面水温の図
50m層水温
    • 50メートル層水温の図
100m層水温
    • 100メートル層水温の図
200m層水温
    • 200メートル層水温の図

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