水産研究本部

試験研究は今 No.388「 平成10年度浅海漁業概要調査結果(ホタテガイ)について」(1999年6月18日)

平成10年度浅海漁業概要調査結果(ホタテガイ)について

はじめに

  水産林務部栽培振興課では、毎年、各地の水産技術普及指導所を通じ、全道各地から集められる資料を基に、「浅海漁業概要調査」を行っています。この調査はアワビ、ウニ、ホッキガイ、養殖を除くホタテガイについて、生産量、種苗放流数、漁場管理等の漁業実態を集計したものです。この資料に基づき平成9年のホタテガイ漁業の概要についてお知らせします。

  北海道水産現勢による平成9年の総水揚げは1,639千トン、3,014億円でそのうちホタテガイは378千トン、532億円で、数量では23パーセント、金額では18パーセントを占めています。

  平成9年の養殖を除くホタテガイの水揚げは26万トン、352億円でこのうち、根室、網走、宗谷の3支庁管内が数量で全体の99.4パーセント、金額で99.3パーセントを占めています。

生産数量、金額

  支庁別の生産量では、網走支庁管内が13万8千トンで全体の53パーセント、ついで宗谷支庁管内の9万7千トン、37パーセント、根室支庁管内2万3千トン、9パーセント、渡島、胆振、釧路、留萌の4支庁管内で2千トン、0.8パーセントとなっています。

  生産金額も網走支庁管内が最も多く、175億円、50パーセント、ついで宗谷支庁管内が133億円、38パーセント、根室支庁管内が41億円、12パーセント、他支庁管内で3億円、0.9パーセントです。

  次に、支庁別の単価(生産金額/生産量)をみると、根室支庁管内が182円/キログラムで最も高く、ついで宗谷支庁管内が136円/キログラム、網走支庁管内が127円/キログラム、全道平均では135円/キログラムとなっていました。

種苗放流

  調査の対象とした27漁業協同組合のうち種苗放流を行っているのは24組合で、このうち購入種苗のみを放流しているのは6組合、地場産種苗のみを放流しているのが9組合、購入、地場産両種苗とも放流しているのが8組合となっています。

  ホタテガイを1トン漁獲するのに必要な放流数では、1万個体以下が11組合、ついで1~2万個体が5組合でしたが、3~5万個体の放流を行っている組合も3箇所見られました。

漁場管理

  漁場管理では、ほとんどの組合で害敵駆除、資源調査、追跡調査、禁漁等を実施し、さらに一部の組合では殻長制限も行われています。
    • グラフ
平成10年度浅海漁業概要調査結果(ホタテガイ)
支庁名 根室 網走 宗谷 他支庁 合計
生産量(トン) 22,653 137,718 97,221 1,524 259,116
(パーセント) 8.7 53.2 37.5 0.6  
生産額(千円) 4,128,537 17,503,685 13,262,870 261,926 35,157,018
(パーセント) 11.7 49.8 37.7 0.8  
着業隻数 64 87 92 115 358

(稚内水産試験場 主任専技 柿下浩二)