道総研の概要
1.基本情報
名称 | 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 (正式略称 道総研) |
設立時期 | 平成22年(2010年)4月1日 |
主たる事務所 | 札幌市北区北19条西11丁目北海道総合研究プラザ |
資本金(土地、建物) | 約253億円(道出資 100%) |
予算規模 | 約153億円(道からの運営費交付金 約132億円) ※令和6年(2024年)4月1日現在 |
職員数 | 1,090名 ※令和6年(2024年)4月1日現在 |
業務範囲 | 農業、水産、森林、産業技術、エネルギー・環境・地質及び建築・まちづくりの各分野に関する試験、研究、調査、普及、技術開発、技術支援、事業化支援等 |
2.組織体制
3.職員数
令和6年(2024年)4月1日現在(人)
研究職 | 船員・技師等 | 事務職 | 計 | |
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本部 | 19 | 0 | 40 | 59 |
農業研究本部 | 260 | 93 | 63 | 416 |
水産研究本部 | 145 | 44 | 33 | 222 |
森林研究本部 | 99 | 13 | 29 | 141 |
産業技術環境研究本部 | 176 | 1 | 32 | 209 |
建築研究本部 | 34 | 0 | 9 | 43 |
計 | 733 | 151 | 206 | 1,090 |
4.試験研究機関の業務概要
各機関 | 所在地 | 業務概要 | |
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農業研究本部 | 長沼町 | 研究本部の企画・調整業務のほか、水稲「そらゆき」「ななつぼし」「吟風(酒米)」、大豆「いわいくろ」、りんご「ハックナイン」を育成するなど、品種開発、生物工学、農産品質、栽培技術、経営、機械及び環境などに関する試験研究を行っています。 | |
上川農業試験場 | 比布町 | 水稲「きらら397」「ゆめぴりか」「きたゆきもち」「えみまる」のほか、冬季無加温栽培「ゆきあま」を育成するなど、稲作研究をはじめとした、上川・留萌の地域農業に対応した試験研究を行っています。 | |
道南農業試験場 | 北斗市 | 水稲「ふっくりんこ」「きたくりん」やいちご「けんたろう」の育成のほか、園芸や稲作、畑作などの道南の地域農業に対応した試験研究を行っています。 | |
十勝農業試験場 | 芽室町 | 大豆「ユキホマレ」「とよみづき」、小豆「きたろまん」やながいも「とかち太郎」を育成するなど、豆類をはじめとした畑作物等に関する試験研究を行っています。 | |
北見農業試験場 | 訓子府町 | 秋まき小麦「きたほなみ」、ばれいしょ「コナユタカ」、たまねぎ「ゆめせんか」、チモシー「なつちから」を育成するなど、麦類、ばれいしょなどの畑作物、たまねぎ、飼料作物に関する試験研究を行っています。 | |
酪農試験場 | 中標津町 | 乳牛飼養、繁殖・健康管理、経営、畜産環境及び自給飼料生産など総合的な酪農研究を行っています。 | |
畜産試験場 | 新得町 | 黒毛和種の遺伝的能力評価技術の開発、「北海地鶏Ⅲ」の開発、自給飼料の生産・活用技術の開発など肉用牛、中小家畜、飼料作物、家畜衛生、生物工学などの畜産に関する試験研究を行っています。 | |
花・野菜技術センター | 滝川市 | メロン「おくり姫」、いちご「ゆきララ(空知35号)」の育成のほか、花き野菜の栽培技術や鮮度保持などに関する試験研究を行っています。また、新規就農者や農業後継者などに向けた花き野菜に関する技術研修を行っています。 | |
水産研究本部 | 中央水産試験場 | 余市町 | 研究本部の企画・調整業務のほか、日本海を中心に磯焼け対策やスケトウダラ、ホッケなどの資源管理、海洋環境の保全や水産物の安定供給に関する試験研究を行っています。 |
函館水産試験場 | 函館市 | 道南海域のイカの漁況予測やスケトウダラなどの資源管理、ホタテガイ養殖に関する調査研究を行っています。 | |
釧路水産試験場 | 釧路市 | 太平洋のサンマなどの浮魚やケガニなどの地先資源、水産物の加工利用技術に関する調査研究を行っています。 | |
網走水産試験場 | 網走市 | オホーツク海のカレイ、ケガニなどの資源管理やホタテガイ漁業の生産から利用、廃棄物処理に関する調査研究を行っています。 | |
稚内水産試験場 | 稚内市 | 道北海域のウニ、コンブなどの磯根資源やタコ、カレイなどの地先資源の資源管理に関する調査研究を行っています。 | |
栽培水産試験場 | 室蘭市 | マツカワなど栽培対象種の種苗生産から、放流・管理までの一貫した栽培漁業技術開発に関する調査研究を行っています。 | |
さけます・内水面水産試験場 | 恵庭市 | 全道のさけます漁業・内水面漁業に関する資源管理、増養殖技術開発に関する調査研究を行っています。 | |
森林研究本部 | 林業試験場 | 美唄市 | 研究本部の企画・調整業務のほか、林業経営や森林環境、緑化などに関する試験研究を行っています。 |
林産試験場 | 旭川市 | 木材・木質材料の性能、木材の化学的利用、木材の加工技術などに関する試験研究を行っています。 | |
産業技術環境研究本部 | 工業試験場 | 札幌市 | 研究本部の企画・調整業務のほか、情報通信・エレクトロニクス・メカトロニクス、材料及び製品・生産関連技術などの試験研究を行っています。また、近年の地域課題の複雑・困難化に対応するため、道内企業を先導しながら、新技術・新産業の創生に向けた研究を行う「新技術創生推進室」を設置しています。 |
食品加工研究センター | 江別市 | 食品加工に関する技術力の向上や製品の高付加価値化などの試験研究を行うとともに、企業等が実施する多くの商品開発に対する技術支援を行っています。 | |
エネルギー・環境・地質研究所 | 札幌市 | エネルギーの高度利用、資源の開発、循環資源利用の促進、自然災害の防止・被害軽減、環境や生物多様性の保全に関する研究開発、技術支援、情報提供を行っています。 | |
建築研究本部 | 北方建築総合研究所 | 旭川市 | 研究本部の企画・調整業務、性能評価や依頼試験業務等のほか、積雪寒冷な北国の住まい、建築、地域づくりに関する研究開発を行うとともに、「きた住まいる」制度や「北海道地域防災計画」といった道の施策推進を支援しています。 |
5.研究開発の推進
(原則5年以内) | 道の重要な施策などに関わる分野横断型の研究で、法人内の各研究分野及び大学や企業等との連携により実施します。 |
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(原則3年以内) | 実用化、事業化につながる研究や緊急性の高い研究を行っています。法人内外との連携を図って実施します。 |
経常研究 | 新たな研究開発につながる先導的な研究、環境や資源などの継続的な調査、地域固有のニーズに対応した研究、技術力の維持・向上などに必要な基盤的な研究など多岐にわたる研究を実施します。 |
道受託研究 | 道が実施する事業に基づく研究・調査や、突発的な災害等に関連する研究・調査を行います。 |
一般共同研究 | 大学、企業等の外部機関や行政機関と連携して研究を実施します。 |
公募型研究 | 国や団体等が実施する公募型研究制度を利用して研究を実施します。 |
受託研究 | 行政機関(道を除く)や企業等の外部機関からの依頼により、研究を実施します。 |
職員研究奨励事業 | 職員自らの提案により、研究シーズの発掘と研究開発能力の向上を図ります。 |
6.技術支援
- 技術相談
法人本部の総合相談窓口や各試験場において、技術に関連する質問や疑問にお答えします。 - 技術指導
道総研の研究成果や知見等を用いて、技術的な問題の解決に向け指導します。 - 講師等派遣・依頼執筆
講師、委員やアドバイザーとしての助言や刊行物等の原稿執筆を行います。 - 技術審査
国や道、団体、金融機関などからの依頼により、新製品や新技術の開発等に関する技術的な審査を行います。 - 課題対応型支援
簡易短期的な試験、調査等を行って、実効性を高めた技術指導を行います。 - 技術開発派遣指導(工業試験場)
職員を中長期にわたり企業などへ派遣し、技術的な指導を行います。 - 依頼試験
企業などからの依頼により、試験、分析、測定や製品等の品質・性能の評価を行います。 - 設備使用
道総研が所有する試験機器などの設備をご利用いただけます。 - インキュベーション施設(工業試験場、食品加工研究センター)
製品の開発・新規事業展開等を目指す方々に入居いただけます。 - 建築性能評価(建築研究本部 建築性能試験センター)
建築基準法に基づき、構造方法などの認定に必要な建築物の構造方法や建築材料の性能評価を実施します。 - 構造計算適合性判定(建築研究本部 建築性能試験センター)
建築基準法に基づき、建築物の構造計算に係る適合性判定を行います。
7.研究成果としての知的財産
令和6年(2024年)3月31日現在
権利数 | 許諾契約件数 | 主なもの | |
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特許権 | 83件 | 66件 | レアフル(果実の真空包装体) 【単独共有】 電気式人工喉頭【民間共有】 ヨーグルトペースト【民間共有】 |
実用新案権 | 0件 | 0件 | |
意匠権 | 5件 | 4件 | ショベル【民間共有】 |
商標権 | 5件 | 7件 | 「HOKKAIDO株」 「ゆきあま」 |
94件 | 297件 | 水稲「ゆめぴりか」 小麦「きたほなみ」 まいたけ「大雪華の舞1号」 |
8.連携の推進
- 連携協定:大学、国等の研究機関、企業などと、広範な事業を伴う組織間の連携の基盤とするため連携協定を締結しています。
→共同研究などの実施、普及・技術支援などにおける相互協力、人材交流などを推進
- 連携コーディネーター:行政機関、大学、支援機関、金融機関の方々を道総研の連携コーディネーターとして委嘱しています。
→情報の交換・調整、研究・技術支援・普及事業を推進
- 総合相談窓口:相談機能の充実・強化を図るため、本部経営管理部企画・広報室に設置しています。
→研究機関の紹介、分析や技術に関する相談、各種事業への協力要請などの相談に一元的に対応
9.広報活動
各試験場の研究成果を多くの方々に知っていただくため、また、道総研の認知度を高め、多くのファンを獲得するため、様々な広報活動を行っています。
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10.主な経過
平成22年
2月1日 道知事に対する法人設立認可(総務大臣)
4月1日 法人設立
4月21日 第1期中期計画認可
平成25年
11月22日 科学技術振興機構との建物無償譲渡契約締結
(引渡日:12月1日 旧JSTイノベーションプラザ北海道)
平成26年
2月10日 法人本部「北海道総合研究プラザ」へ移転
平成27年
3月27日 第2期中期計画認可
令和2年
3月18日 第3期中期計画認可
4月1日 6研究本部を5研究本部へ再編(産業技術研究本部、環境・地質研究本部→産業施術環境研究本部)、エネルギー・環境・地質研究所設立
令和3年
4月1日 法人本部の組織を「経営管理」、「研究戦略部」、「研究事業部」の3つの部に改編
令和6年
4月1日 法人本部の組織を「経営管理」、「研究推進部」の2つの部に改編
11.業務の推進管理
12.業務運営
13.各試験研究機関の主な沿革
道立試験研究機関(道立試)は、時代のニーズや様々な課題に対応するために設立されました。その設立目的に応じ、農業、水産業、林業、工業、食品産業、環境、地質及び建築の各分野で、地域における課題等に対応した研究開発を行い、その成果を道民に還元する重要な役割を果たしてきました。
平成22年4月、道立試がこれまで果たしてきた機能の維持及び向上を図り、社会情勢の変化に柔軟に対応できる組織へと改革していくため、地方独立行政法人である道総研の機関となりました。
明治9年(1876)北海道開拓使が牧牛場を開設
→平成12年(2000) 新得畜産試験場と滝川畜産試験場を統合し、「道立畜産試験場」設置
→畜産試験場
明治21年(1888)鮭を中心とした放流孵化技術を開発する「千歳中央孵化場」を開設
→昭和27年(1952) 「道立水産孵化場」設置
→さけます・内水面水産試験場
明治34年(1901)国費(拓殖費)により「北海道農事試験場」設立
→昭和25年(1950)国立試験場と分離し、「道立農業試験場」設置
→平成30年(2018)「根釧農業試験場」を「酪農試験場」に改称
→中央農業試験場、上川農業試験場、道南農業試験場、十勝農業試験場、北見農業試験場、酪農試験場
明治34年(1901)水産物の捕獲、加工を支援する「水産試験場」を開設
→昭和25年(1950)国立試験場と分離し、「道立水産試験場」設置
→中央水産試験場、函館水産試験場、釧路水産試験場、網走水産試験場、稚内水産試験場
大正11年(1922)工業振興を担う「工業試験場」を開設
→昭和24年(1949) 「道立工業試験場」設置
→工業試験場
昭和24年(1949)木材工業の研究を担う「道立林産試験場」を開設
→林産試験場
昭和25年(1950)鉱物資源やエネルギー資源の探査と開発のための「地下資源調査所」を開設
→平成11年(1999) 「道立地質研究所」に改称
→地質研究所→エネルギー・環境・地質研究所へ
昭和30年(1955)厳しい住環境に対応した住宅の研究を担う「道立寒地建築研究所」を開設
→平成14年(2002) 「道立北方建築総合研究所」に改称
→北方建築総合研究所
昭和32年(1957)林業の振興を図るため「道立林業試験場」を開設
→林業試験場
昭和45年(1970)工業化に伴う公害などに対応するため「公害防止研究所」を開設
→平成3年(1991) 「北海道環境科学研究センター」に改称
→環境科学研究センター→エネルギー・環境・地質研究所へ
平成4年(1992) 農畜産物等を活用した加工食品の研究を担うため、道立工業試験場から「食品部」を移管し「道立食品加工研究センター」を開設
→食品加工研究センター
平成8年(1996) 戦略作物である花き・野菜生産の一層の振興を図る総合的な拠点施設として、「道立花・野菜技術センター」を開設
→花・野菜技術センター
平成18年(2006)函館水産試験場室蘭支場と道立栽培漁業総合センターを統廃合し、栽培漁業技術開発の全道拠点として「道立栽培水産試験場」を開設
→栽培水産試験場
令和2年(2020)エネルギー、環境、地質に関する技術を融合し、総合力を活かした取組を展開するため、「工業試験場環境エネルギー部」、「環境科学研究センター」、「地質研究所」を統合し、「エネルギー・環境・地質研究所」を開設
→エネルギー・環境・地質研究所
14.シンボルマーク
「道民のための試験研究機関」として、図形のシルエットで北海道の形を表すとともに、北海道を象徴する雪の結晶を中央に配置しています。
北海道旗の配色を基本に、紺色は「北の海や空」、白は「光輝と風雪」、赤は「道民の不屈のエネルギー」を表し、全体を右斜め上に向かうラインとして配置することで、「未来への可能性」を表現しています。