水産研究本部

試験研究は今 No.338「元気な浜が集まった!」(1998年3月20日)

元気な浜が集まった! -全国青年・女性漁業者交流会から-

  3月3,4日の両日、恒例の全国青年・女性漁業者交流会が東京「虎ノ門パストラル」で開催されました。

  元気な浜の、熱い感動をここに少しでも皆さまにお届けしたいと思います。当交流会は、「全国漁村青壮年婦人活動実績発表大会」として、昭和30年の第1回大会から毎年継続され、本年は、第3回の全国青年・女性漁業者交流会と進化して実施されました。

  今回の大会には道内からの4グルーブを含め61グループが参加し、五部門の分科会に分れて活動発表が行なわれました。

  発表概要は、資源管理、消費拡大、漁村活性化に大きく分けられますが、ここでユニークな発表題名を少し紹介しましょう。
○「ヒラメ銀行」大躍進○いかで頑張る佐渡姫津○コンブを語らずしてウニは語れない○できた!!味は絶品「丹後とり貝」一とり貝養殖・販売にかけた漁業者の軌跡~○アコヤガイとの対話からわかったこと○海のとんぼが島根の空に舞う○元気は海の贈り物○若潮の激流○海の男のプロポーズ大作戦○住みたくなる漁村を目指して○浜があちゃん奮闘記○都市近郊漁業の創出○海の香りを椿にのせて一つばきの館から『おふくろの味』発
進○ついに始めた料理屋のおかみさん○女性の技と知恵を活かしたワカメ普及○健康食品・めひび・の魅力、どうですか?

  元気が出そうな魅力いっぱいの題名が並んでいました。そして会場内は海の男の雰囲気でも、婦人部の発表が半分近くを占め、その元気な発表態度に感服しました。

  全体検討会では、食卓からの視点、地域他団体との連携、漁業から地域振興運動へ向けた姿勢、時代は発想の転換期等について意見が出ていました。

  そして交流会の今後に向けた各分科会委員からの一言は、・生産技術の持続性の視点から「技術の伝承と改善」の課題を。・活動意識と目標設定を明確に。・青年部と婦人蔀の交流発表は意義深い。・活性化とは何か?成果ではなく、人がどのように変わったかである。・発表方法ではアクセントが必要。等が述べられていました。

来年の参考に・・・。

  参加グルーブはそれぞれに、胸に熱いものを感じ、交流会を後にしたことと思います。私は、漁業の素晴らしさを、胸を張って社会へ伝えることが出来る人々が沢山いて、そこで一緒に働ける喜びを感じながら、帰路につくことができました。

  審査結果は、5部門のうち、なんと2部門で北海道から参加した以下のグループが「農林水産大臣賞」を受賞しました。
(増・養殖部門)エゾバフンウニ養殖企業化試験に取り組んで~新たな漁業づくりへ挑戦~散布 漁協ウニ養殖部会 村田準逸
(環境保全活動部門)こんぶの森にウニ甦れ~コンブを語らずしてウニは語れない~浦河漁協白泉地区ウニ委員会 日田 隆
さらに「水産庁長官賞」を1部門で受賞しました。
(環境保全部門)きれいな海と豊かな森を明日へ~分収林契約による森林育成~厚岸漁協婦人部 児玉 幸子

(中央水産試験場 水産業専門技術員)