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中央水産試験場

海況速報(2006年06月)

平成18年度 第2号(確定版)
平成18年 7月10日

北海道立水産試験場

5月上旬から6月中旬の海況

6月22日付け第2-0号(Web版)の追加印刷版です。道南太平洋の調査が業務の都合で約1ヶ月例年より遅れました。このため水温分布図は別に作成し追加しています。また、時期が異なるため道南海域の水温の平年偏差は算出していません。

海域別情報

日本海海域
低水温続く

今回は、函館水試金星丸による日本海スルメイカ調査の観測データも加えて作図しています。前回(4月)に引き続いて全般的に水温が低く経過しています。
100m層水温を見ると、津軽海峡西方で対馬暖流が西に蛇行しており、積丹半島西方でも例年よりやや西の沖合を北上しています。200m層水温でも津軽海峡西方の蛇行が明瞭に見えており、中心付近の水温は200m層で6℃以上、300m層でも5℃以上と、深くまで水温が高くなっています。水温についてみると、この津軽海峡西方の対馬暖流の蛇行に影響され、渡島大島の付近、200m層の水温が非常に高くなっています。一方、積丹半島西方に200m層で4℃以上の等温線で囲まれる暖水渦が見えており、この暖水渦の東側の海域で水温が低くなっています。
余市における5月上旬以降7月上旬までの沿岸水温(旬平均)は、6月下旬まで「やや低い」から「かなり低い」で推移しておりましたが、7月上旬に平年より1℃高くなり「やや高い」となり、「昨年12月より続いていた低温傾向が沿岸域ではやや回復したようです。
道東太平洋海域
親潮順調

40-00N、145-30E付近に黒潮系暖水の端が見えています(100m層で6℃以上)が、道東沿岸は広く親潮に覆われています。水温についてみると、平年並みのところが多くなっています。
道南太平洋海域
例年より調査時期が異なります。道南太平洋は「6月下旬から7月上旬の海況」となりますので、ご注意下さい。
100m層で8℃以上の津軽暖流が、津軽海峡尻屋崎から浦河沖に向かって広がっており、津軽暖流は渦モード*2へ移行中と見られます。噴火湾内の沿岸親潮水*1は50m層で5℃以上となり、表層付近15m層より浅いところで水温が10℃以上となっています。
オホーツク海海域
宗谷暖流(表面では)不明瞭

表面水温では9℃以上となっているところもありますが、雄武沖、斜里沖には6℃以下のところがあります。網走沖沿岸の50m層では1℃台のところもあり、日本海同様に宗谷暖流域は全般的に水温が低くなっています。宗谷暖流の指標となる4~5月の稚内と網走の水位差は「ほぼ平年並み」です。
資料
資料 観測期間 観測海域
稚内水試(北洋丸) 2006年5月29日〜5月31日 (道北日本海海域)
稚内水試(北洋丸) 2006年6月5日〜6月7日 (オホーツク海海域)
釧路水試(北辰丸) 2006年6月1日〜6月7日 (道東太平洋海域)
函館水試(金星丸) 2006年5月24日〜6月1日 (東北日本海海域)
函館水試(金星丸) 2006年6月28日〜7月3日 (道南太平洋海域)
中央水試(おやしお丸) 2006年5月30日〜6月6日 (道西日本海海域)

*1:オホーツク海の海氷の融氷水を含む親潮として特に沿岸親潮という名前が付けられています。
*2:津軽暖流が津軽海峡から襟裳岬まで大きく張り出してから南下している状態を「渦モード」と呼びます。これに対して,津軽暖流が青森県尻屋埼からすぐ岸沿いに三陸方面へ南下している状態を,津軽暖流の「沿岸モード」と呼んでいます。

    • 左:沿岸モードの図

      左:沿岸モード

    • 右:渦モードの図

      右:渦モード

水温平面分布図

表面水温
    • 表面水温の図
50m層水温
    • 50メートル層水温の図
100m層水温
    • 100メートル層水温の図
200m層水温
    • 200メートル層水温の図

PDF版

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