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道南農業試験場

平成17年度道南農試公開デー


 真夏の炎天下、多数のご参加をいただきました。
平成17年度道南農試公開デーが7月28日(木)に開催されました。今年も好天に恵まれ約150名の多数のご参加をいただき盛況でした。来年も、この時期に開催の予定です。みなさまのご来場をお待ちいたします。


1.よくわかる場内見学会

 見学会は3回行われましたが、各回とも大勢の方に参加いただきました。
 スタートは道南農試のシンボル「ユリノキ」前からです。昨年の台風でダメージを受けましたが、今年も元気にたくさんの花をつけてくれました。
見学1

・有機物を利用したトマト栽培

 化学肥料や農薬を使わない有機農業への関心が高まっていますが、有機物を利用したトマトの栽培技術を検討しています。さらに、水産業が盛んな道南地域において発生する残渣物を有効利用するため、これらを原料に作られた堆肥や肥料の施用法を研究しています。水産物加工により発生する残渣物(ゴミ)処理の問題と有機物資源の有効活用(自然循環型)による環境にやさしい農業の展開が期待されます。
見学2

・土の観察

 今回、初めておこなった土の観察です。普段めったに見られない土の中を見てみようとおこなわれました。1mも掘った土をみるといくつもの層に分かれており、ここ農試の土は大野川により運ばれた砂や粘土などから作られているのがわかります。そしてヒマワリの根がかなり深くまで達している様子が見ることができ、皆さん興味深げに見入っていました。
見学3

・いちごの新しい品種と栽培法

 道南農試ではこれまでに「きたえくぼ」や「けんたろう」などすぐれたイチゴの品種を作ってきましたが、これら品種改良のやり方などを紹介しました。また、土壌の上で栽培する場合に比べて作業が軽減される、ベッドの上でいちごを栽培する高設栽培といちごの葉柄中の窒素濃度を調べることによりムダをなくした適正な施肥量を決める技術(栄養診断技術)の研究を紹介しました。
見学4

・生物農薬を使ったトマト栽培

 トマトには多くの病害虫が発生し、化学農薬による防除が行われていますが、できるだけ農薬を使わないクリーン農産物が求められてきています。近年、各種の生物農薬が実用化されていますが、北海道の気象条件やトマトの病害虫への適用性が明らかになっておりません。このため、これら生物農薬資材のトマトでの適用性について検討し、生物農薬の有効な使用法についての試験について紹介しました。
 これら生物農薬資材のトマトに対する使用法の試験について紹介しました。
見学5

・イネの品種いろいろ(大型ガラス室の水稲栽培施設と水田での選抜)

 大型特殊温室内で年間3回稲を栽培して品種の開発を促進します。水田では耐冷性、耐病性に優れた品種候補の選抜を行っています。
 このような中から、道南向けのおいしくて寒さに強い水稲新品種「ふっくりんこ」を開発しました。「地産地消」を推進するために、地域限定ブランドのお米として期待されています。
見学6

2.展示コーナー

 パネルでは道南農試のあゆみ、研究各科および技術普及部の歴史、これまでの研究業績、現在の業務内容等を紹介しました。
 展示ではいろいろな養分欠乏症のトマトの実物を展示しました。また、水稲のいもち病、バレイショの疫病、トマトの罹病株の実物を展示しました。「うちのトマトもこうなっている。あれは石灰欠乏症だったんだ」などといった感想が聞かれました。
展示1  展示2

3.体験・実験コーナー

 トマトの葉をしぼった液を簡易分析計ににより測定し、栄養状態を診断する実験の実演をおこないました。また、農作物の小さな害虫を大きく拡大してテレビモニタ画面で観察できるようにセットして、参加した子供さんにも実際に操作して体験していただきました。
実験1  実験2

4.相談コーナー

 家庭菜園での困りごとや悩み事など、さまざまな相談を受けました。病害虫や生理障害、せん定法などの管理に関する事柄が多かったようです。即答できないこともあったのですが、後日調べてお知らせしました。開始から終了するまで相談者はとぎれることはありませんでした。
相談1

5.試食

 道南農試で育成した道南地域向けのお米、「ふっくりんこ」を試食していただきました。また、場内のハウスで栽培された冷やしトマトと四季なりイチゴも賞味していただきました。
試食2