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道南農業試験場

第6回道南農業新技術発表会

主催:道南農業試験場

  • 日時:平成16年1月29日(金)13:00~16:00
  • 場所:大野町農業振興センター

 第6回道南農業新技術発表会は、1月29日、明るい日差しの中、道南圏の生産者等約80名、JA・諸団体約10名、市町村・支庁・国関係者約25名、農学校・町技術センター・普及センター・研究機関約55名、計約170名のご参加をいただき、無事、終了いたしました。誠にありがとうございました。


発表会の内容

  • 発表課題 :
    1. 新技術
      1. いちごの高設栽培技術
      2. 夏秋どりトマトの養液土耕栽培技術
      3. ねぎF1品種の特性
    2. 平成15年異常気象に伴う水稲の収量低下について
    3. トピックス
      1. 水稲の直播栽培
      2. 本年発生に注意を要する病害虫について
      3. 花ゆり新品種候補「Li-19」

  • 講演要旨

    新技術

    いちごの高設栽培技術

    園芸環境科 研究職員 福川英司

     いちごの高設栽培が収量・品質、軽作業性等から実用性が高いことを実証した。また、全道に適応可能な高設一期どり栽培に加えて、道南などの少雪温暖地域に有利性が期待できる高設二期どり栽培を新たに提案した。加えて培地の軽量化と地域資源の活用を図るために木質培地を開発した。

    夏秋どりトマトの養液土耕栽培技術

    園芸環境科 研究職員 坂口雅己

     養液土耕は慣行栽培と比べ、収量増、減肥による環境負荷低減、施肥・灌水の労働軽減および経済性の優位が認められた。各生育時期における窒素施肥および栄養診断基準を設定し、窒素栄養診断に基づくトマト養液土耕栽培の施肥マニュアルを設定した。

    ねぎF1品種の特性

    園芸環境科 研究職員 阿部珠代

     ねぎF1品種について特性調査を行った。2ヵ年目まで試験を継続した6品種については,「元蔵」より製品の揃いが良く,黒斑病・べと病・葉枯病などの発生が少ない傾向を示した。道南地域の夏秋どり作型には、収量・規格揃い・病害への強さに着目して「冬一心」、「白羽一本太」を選定した。

    平成15年異常気象に伴う水稲の収量低下について

    渡島中部地区普及センター 宗像政美 氏

    檜山北部地区普及センター 細川篤通 氏

    トピックス

    水稲の直播栽培

    作物科 科長 田中一生

     水稲の低コスト化・低労力化を進める2つの新しい「直播」栽培技術について紹介します。ひとつは湛水直播で、落水出芽・合理的施肥・カルパー粉衣なしの技術を組合せ技術完成度を高め、品種別栽培適地マップを作りました。もう一つは田起こしと代かきのいらない、究極の低コスト・低労力稲作を実現させる?不耕起乾田直播栽培技術です。

    本年発生に注意を要する病害虫について

    研究部 研究職員 新村昭憲

     平成16年度に特に注意を要する病害虫:①小麦の赤かび病、②ばれいしょのジャガイモシストセンチュウ 新たに発生を認めた病害虫:菜豆の苗立枯病(仮称)、にんじんの白かび病(新称)、各種野菜・花き類のアシグロハモグリバエ(新発生)、ブロッコリーのべと病(新発生)、いちごのバラミドリアブラムシ(新発生)、ゆり・ねぎのジャガイモクロパネキノコバエ(新寄主)、りんごのリンゴサビダニ(新発生)、プルーンのモモサビダニ(新発生)、デルフィニウムのうどんこ病(新発生)、牧草類のカスミカメ類、しいたけのナガマドキノコバエ(新寄主)

    花ゆり新品種候補「Li-19」

    園芸環境科 科長 中住晴彦

     花ゆり新品種候補「Li-19」は、花形と草姿はシンテッポウの印象を持ちながら、小輪で花弁に斑点がなく、透明感のある明るい鮮橙色の花色を持つ新しいタイプの系統である。小球根での開花性に優れ、一年球の多くを切り花生産に利用できるため生産コスト低減も可能である


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