光珠内季報-平成18年度-
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平成18年度(No.143~No.146)
No.146号(2007年3月発行)
- 河畔林は流木をどれだけ捕捉できるか -2003年台風10号災害の結果から-(PDF:952KMB)
山田健四
P1~4
2003年台風10号で被害を受けた日高の厚別川において,河畔林の被害状況を調査した結果,流域全体の河畔林の15%に当た
る33.0haが消失し,30%にあたる67.2haが倒伏被害を受けた。河畔林から流出した流木の材積7,971m3を上回る11,117m3
の流木が河畔林によって捕捉されたことから,河畔林は流木を捕捉する効果を持つことが明らかとなった。 - 河畔域におけるニセアカシアの分布実態(PDF:1.02MB)
小野寺賢介・長坂晶子・長坂 有・山田健四
P5~8
河畔域は生物多様性が高く,ニセアカシアによる生態系や河畔林機能への影響が注目される地域である。そこで,渡島半島の
河畔域におけるニセアカシアの分布を明らかにするとともに,河畔林伐採による河畔域の撹乱とニセアカシアの分布の関係に
ついて考察した。 - カラマツ幼齢林におけるエゾシカ食害の影響(PDF:995KB)
明石信廣
P9~12
カラマツは1年のうちに何度も繰り返しエゾシカに食害されることがあり,食害回数が多いほど樹高成長への影響は大きい。
しかし,食害回数が少なければ影響は少なく,激しい食害を受けても少しずつ樹高は高くなるため,複梢の剪定などにより,
被害林分でも成林が期待できる。 - 森林所有者と森林ボランティアの連携を進めるには -森林所有者へのアンケート調査と連携の活動事例から-(PDF:1.32MB)
青柳かつら
P13~18
森林所有者と森林ボランティアの連携を進める方法を検討するため,森林所有者にアンケートを行い,活動事例を調査した。
両者の連携には,森林ボランティア活動の背景や実例の情報提供,ボランティアの技術や責任能力の向上,協働関係の創出な
どが重要である。
No.145号(2007年1月発行)
- ハーベスタはどう使われているか -北海道の一般民有林での実態-(PDF:1.52MB)
酒井明香
P1~6
道内の一般民有林で,ハーベスタが林内あるいは土場でどんな工程に用いられているかを調査した。これまで林内で使われる
ことは少ないといわれてきたハーベスタだが,約8割の事業体で林内で使われることがあるという結果になった。林内で使用
する工程としては伐倒と枝払いとが多いが,林内と土場を行き来するなど作業システムとしては複雑である。 - 日本海北部地域の海岸林造成に適した樹種と産地 -稚内市抜海での16年間の調査結果から-(PDF:1.42MB)
福地 稔
P7~13
気象条件の厳しい日本海北部沿岸の森林造成に適する樹種や産地を明らかにするため,植栽試験地を設定し,16年間生育状況
を調査した。樹種や種子産地の違いが生残率や成長に影響していることが明らかとなってきたので結果を紹介する。 - ツル性木本によるコンクリート壁面の緑化 -ツタとツルマサキを用いた事例-(PDF:1.10MB)
棚橋生子・清水 一・石井弘之
P14~20
コンクリート製農業用給水塔の周囲にツタとツルマサキを植栽し,4年間の受講成長等を調査した。ツタは東面,北面で生育
がよく,高さ6mに達するものもあった。ツルマサキは,平滑なコンクリート面には登れないが,凹凸をつけたベニヤ板の壁
面には登ることができた。 - 土と根の話-苗木にとって理想的な根とは何か?-(PDF:1.50MB)
錦織正智
P21~27
苗木の生産現場では、成型苗木の導入が進んでいる。成型苗木の生産技術の向上には,用土と根の関係を解明する必要がある。
成型苗木にとって、理想な根とは何か? 理想的な用土とは何か? について考える。
No.144号(2006年10月発行)
- カラマツ中高齢林分の野ネズミ被害実態と枯死木の発生経過(PDF:158KB)
雲野 明
P1~3
カラマツ中高齢林の野ネズミ被害について2つの林分で複数年にわたり調査を行った。その結果と過去の研究成果を参考にし
ながら,カラマツの中高齢林分における野ネズミ被害実態と枯死木の発生経過について紹介する。 - ハーベスタ作業の生産性はどうやって推測すればいいのか(PDF:378KB)
中川昌彦・濱津 潤・齊藤智裕・太田石一
P4~7
ハーベスタ作業における胸高直径と生産性の関係について,胸高直径が大きくなると生産性が上がることを再確認し,伐倒対
象木の平均単材積からハーベスタ作業の生産性を推測する方法を検討した。 - めん羊と簡易電気牧柵を利用した林床植生管理(PDF:688KB)
徳田佐和子・山本健治
P8~12
めん羊放牧を利用した新たな林床植生管理手法を提案するために,広葉樹見本林内に簡易電気牧柵システムを使った面積0.15
~0.33haの連続した放牧区6個をつくり,サフォーク種めん羊15頭を夏季2ヶ月間放牧した。その結果,1)簡易電気牧柵を
使用すると,設置・撤去が容易な放牧区を林内に設置できる,2)家畜の扱いに慣れていない人でも放牧できる,3)めん羊
放牧には草刈りとしての林床植生管理効果がある,4)中高木に対する直接的な影響はなく,低木に対する食害も予想可能で
回避できることがわかった。 - 園芸用苗木作りの話 -テーラーメイド型苗木生産システムの構築と実践-(PDF:564KB)
錦織正智
P13~18
林業試験場が開発した組織培養技術は,民間業者において園芸用苗木の生産システムへと発展した。このシステムが生まれた
背景と内容,実践例,展望について紹介する。
No.143号(2006年9月発行)
- 林業試験場が平成18年度に取り組む試験研究のあらまし
- 2004年台風18号による風倒木被害の要因 -道有林での解析事例-(PDF:1.20MB)
佐藤 創・阿部友幸
P7~11
道有林全体の被害傾向の解析を行った結果,針葉樹が広葉樹よりも被害を受けやすかったこと,林齢80年で最も被害を受けや
すくなること,斜面傾斜角が緩いほど被害を受けやすかったこと,風の強い地域で被害を受けやすかったこと,カラマツ林で
は間伐が被害を軽減することなどが明らかになった。 - ゆたかな生き物を育む里山の森づくり -森林にすむ昆虫類を指標として-(PDF:1.77MB)
石濱宣夫
P12~17
昆虫類を指標として, その多様性と森林環境との関係を調べた。その結果,昆虫のグループや種類によって生息に好適な環境
は異なっていた。したがって,昆虫類の多様性を維持・向上させるには,1)遷移段階の異なる林分を組み合わせる,2)階
層性の発達を促す,3)老齢木や枯れ木・倒木・落枝をできるだけ保残する,などの森林の構造を複雑にするような施業が有
効と考えられた。 - 絶滅危惧種ヒダカミツバツツジの保全へ向けて(PDF:1.46MB)
八坂通泰
P17~22
絶滅のおそれのある樹木ヒダカミツバツツジの保全対策を効果的に進めるために,自生地での生育実態の調査,実生による増
殖試験,種子の保存試験を実施した。これらの試験結果に基づいて,自生地での保護区の設定方法,モニタリングの実施方法
などヒダカミツバツツジの保全対策について検討した。 - 生垣作りに適した樹種と不適な樹種 -緑化樹見本園の結果から-(PDF:2.41MB)
清水 一・棚橋生子・石井弘之
P23~31
各種の樹木74種について,生垣にした場合の形,花や果実,紅葉の美しさについて調査を行った。生垣作りに適した樹種・品
種は45種あり,花が美しい生垣を作れるのは17種,果実が美しく生垣全体に着くのは9種,生垣の形が完成しなくても紅葉ま
たは黄葉が美しいのは34種あった。